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『VIVANT』ACA受賞逃す 仁村紗和、三吉彩花、チェ・ジョンヒョプ新人賞 西島秀俊は審査員登壇

武井保之ライター, 編集者
新人女優賞を受賞した仁村紗和(C)BIFF2024

アジアのテレビ、OTTほかオンラインプラットフォームの映像コンテンツから最優秀作品・俳優を表彰する『アジアコンテンツアワード&グローバルOTTアワード 2024(Asia Contents Awards & Global OTT Awards)』授賞式が10月6日、韓国・釜山で開催中の『第29回釜山国際映画祭』にて行われ、コンペティション各部門の受賞作品、受賞者が発表された。

日本作品から仁村紗和、三吉彩花、チェ・ジョンヒョプが受賞

本賞は、コンペティション部門11カテゴリーと招待部門4カテゴリーの計15カテゴリーで競われる。今年のコンペティション部門ノミネートには、日本作品5本、日本人俳優・スタッフ5人が選ばれていたなか、仁村紗和(『SHUT UP』テレビ東京)が新人女優賞、チェ・ジョンヒョプ(『Eye Love You』TBS)が新人男優賞を受賞した。

ステージに上がった仁村は「このドラマは、若い人の悩みや、自分を大事にするのはどういうことかを伝えています。こうした賞を受賞することができ、作品に携わったみなさんに感謝しています。そして、釜山のみなさんに共感していただけたことが何よりうれしいです」とスピーチ。喜びを韓国語のあいさつで爆発させ、笑顔が弾けていた。

三吉彩花はライジングスター賞(Rising Star of the Year)を受賞した(C)BIFF2024
三吉彩花はライジングスター賞(Rising Star of the Year)を受賞した(C)BIFF2024

一方、招待部門4カテゴリーでは、三吉彩花がライジングスター賞(Rising Star of the Year)を受賞した。三好は出演作『ドラマ 地球の歩き方』(テレビ大阪、BSテレビ東京)がコンペティション部門のリアリティ&バラエティ賞にノミネートされていた。

三好は「縁を感じている韓国で『ドラマ 地球の歩き方』の撮影をできたことを誇りに思っています。韓国撮影ではいろいろな出会いがあって、人の優しさをすごく感じました。作品に関わったみなさんに感謝しています」とスピーチ。釜山は初の訪問としながら、韓国語で観客へメッセージを送った。

審査員を務めた西島秀俊はプレゼンターとして登壇。流暢な英語でスピーチした(C)BIFF2024
審査員を務めた西島秀俊はプレゼンターとして登壇。流暢な英語でスピーチした(C)BIFF2024

なお、西島秀俊は審査員を務めたOTTオリジナル賞のプレゼンターで登壇し、流暢な英語でスピーチ。Apple TVのアメリカ制作オリジナルドラマ『サニー』出演時の自身の撮影経験について触れ、母国語とは異なる言語と環境でクリエイティブな仕事に打ち込む本アワードのノミニー全員に敬意を表した。

アジアで存在感を示したNetflix作品

日本で昨年、社会現象的ブームを巻き起こした『VIVANT』は、作品賞と主演男優賞(堺雅人)にノミネートされるも受賞はならなかった。それでもTBSは、『VIVANT』と『Eye Love You』の2作がノミネートされた唯一の日本メディアとなっている。

一方、注目したいのがテレビ東京。『SHUT UP』は、女子大生の意図しない妊娠から、不同意性交、学生の貧困、売買春など若者たちが直面する社会課題を生々しく描き、高い評価を受けていたが、同作以外にも毎期のように尖ったドラマを生み出し、話題になっている。

そのテーマ性や切り口のほか、従来のテレビドラマとは異なる作風の数々がドラマファンからの高い期待を集めているテレビ東京。アジアでの評価は、そのクリエイティブと制作力の高さが認められたことになるだろう。この先のアジアでの飛躍に期待がかかる。

また、アジアのOTTで見ると、Netflixが圧倒的な強さを誇る一方、中国のTencent VideoやYOUKU、iQIYI、タイのGMMTV、台湾のPTSなどが勢いを見せている。

日本作品、日本人俳優のノミネート、全部門受賞作品・受賞者は以下の通り。

『アジアコンテンツアワード&グローバルOTTアワード 2024』日本作品ノミネート

作品賞(ベスト・クリエイティブ):『VIVANT』(TBS)

アジアコンテンツ賞:『SHUT UP』(テレビ東京)

リアリティ&バラエティ賞:『ドラマ 地球の歩き方』(テレビ大阪、BSテレビ東京)

脚本賞:山西竜矢(『SHUT UP』テレビ東京)

主演男優賞:堺雅人(『VIVANT』TBS)

主演女優賞:二階堂ふみ(『Eye Love You』TBS)

助演男優賞:綾野剛(『幽☆遊☆白書』Netflix)

新人男優賞:チェ・ジョンヒョプ(『Eye Love You』TBS)

新人女優賞:仁村紗和(『SHUT UP』テレビ東京)

視覚効果賞:『幽☆遊☆白書』(Netflix)

『アジアコンテンツアワード&グローバルOTTアワード 2024』受賞作品・受賞者

<コンペティション部門11カテゴリー>

作品賞(ベスト・クリエイティブ):『Blossoms Shanghai』(ウォン・カーウァイ監督)Tencent Video

OTTオリジナル賞:『Boyhood』Coupang Play

アジアンコンテンツ賞:『1286』Salem Entertainment(カザフスタン)

リアリティ&バラエティ賞:『2 Faces』Workpoint Group、『Jinny's Kitchen 2』eggiscoming

監督賞:Kamila ANDINI、Ifa ISFANSYAH(『Cigarette Girl』Netflix)

脚本賞:JU Hwa-mi(『THE ATYPICAL FAMILY』SLL)

主演男優賞:フー・ゴー(『Blossoms Shanghai』Tencent Video)

主演女優賞:林依晨(『Imperfect Us』PTS Taiwan, Taiwan Mobile)

助演男優賞:アン・ジェホン(『Mask Girl』Netflix)

助演女優賞:ヨム・ヘラン(『Mask Girl』Netflix)

新人男優賞:チェ・ジョンヒョプ(『Eye Love You』TBS)、キム・ヨハン(『A Killer Paradox』Netflix)

新人女優賞:仁村紗和(『SHUT UP』テレビ東京)

視覚効果賞:『Parasyte: The Grey』Netflix

ベストオリジナルソング賞:「Learn to Live Again」Tanya CHUA(『Imperfect Us』PTS Taiwan, Taiwan Mobile)

<招待部門4カテゴリー>

・クリエイティブ・ビヨンド・ボーダー賞(Creative Beyond Border):『Shaman:Whispers from the dead』

ニューテクノロジー賞:KOCOWA

ライジングスター賞(Rising Star of the Year):三吉彩花、チョ・ユンス、Anson KONG

ピープルズチョイス俳優賞:キム・ヘユン、ピョン・ウソク

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ライター, 編集者

音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク専門誌などの編集者を経てフリーランスの編集者、ライターとして活動中。映画、テレビ、音楽、お笑い、エンタメビジネスを中心にエンタテインメントシーンのトレンドを取材、分析、執筆する。takeiy@ymail.ne.jp

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