Yahoo!ニュース

クルマの日除け対策の必需品といえばサンシェード! でも吸盤がすぐに剥がれて困っている人、多くない!?

安藤眞自動車ジャーナリスト(元開発者)
せっかく装着したサンシェードも、吸盤が剥がれては役に立ちません。(撮影筆者)

まだまだ暑い日が続きそうですが、クルマの日除け対策として有効なのが、サンシェード。室内が「暑くならない」というほどの効果はありませんが、付けないより温度は下がりますし(米スタンフォード大学の実験では、約2度の効果があったそうです)、内装やシートに直射日光が当たるのを避けるだけでも、触ったときに熱くないし、蓄熱しないのでエアコンの効きも早くなります。

価格もそれほど高くないため、すでに使用している人も多いのではないかと思いますが、同時に「吸盤がすぐに剥がれてしまって困っている」という方も、少なからずいるのではないかと思います。なにしろ我が家がそうですから(笑)。

そこで、製品に付いていた吸盤を観察してみたのですが、中心にはけっこうな量の空気が残っていますし、これを追い出そうとして強く押しつけると、今度は端が捲れ上がって、うまく密着しないことがわかりました。日光が当たって中の空気が温められれば、膨張して吸盤の効果がなくなってしまうのは自明の理。明らかに吸盤の品質が不足しているのです。

そこでお勧めしたいのが、吸盤の交換です。検索サイトで「サンシェード・吸盤」と入れて検索すれば、いろいろな製品が出てきます。むしろいろいろありすぎて、どれを選んだら良いかわからないほどですが、ネットでは現物が確認できないので、僕は安心感を優先し、日本製のものを選びました。また、透明のものより、カーボンブラックの入っている黒いもののほうが、紫外線に強く長持ちするのではないかと思います。

さて、商品が到着したので、新規購入した吸盤と、製品に付いていた吸盤を比較してみたところ、品質の違いがはっきりとわかりました。以下に写真を掲載しますので、参考になさってください。

左が製品に付いていた吸盤。右が吸盤単品で購入したもの。製品に付いていたものは、中心に残る空気の量が多く、それを追い出そうとして強く押すと、外周部が捲れ上がって密着が弱くなってしまいます。(撮影筆者)
左が製品に付いていた吸盤。右が吸盤単品で購入したもの。製品に付いていたものは、中心に残る空気の量が多く、それを追い出そうとして強く押すと、外周部が捲れ上がって密着が弱くなってしまいます。(撮影筆者)

左が製品に付いていた吸盤。右が吸盤単品で購入したもの。左は材質がしなやかさに欠け、アルコールで拭いてもシリコンぽいツルツル感が消えません。右はしっとり柔らかく「いかにもくっつきそう」です。(撮影筆者)
左が製品に付いていた吸盤。右が吸盤単品で購入したもの。左は材質がしなやかさに欠け、アルコールで拭いてもシリコンぽいツルツル感が消えません。右はしっとり柔らかく「いかにもくっつきそう」です。(撮影筆者)

購入した製品は、背中側には穴の開いた突起が付いているだけですが、サンシェードに通したら、穴に太めのヒモを通して結んでおくだけで、外れなくなります。アウトドアショップで太さ4mmぐらいの補助ロープを購入し、これを結んでおくと、見た目もおしゃれになります。

手元にあった4mmの補助ロープを結んでみました。末端はライターで炙って潰しておくと、ほつれにくくなります。火傷に注意して作業してください。(撮影筆者)
手元にあった4mmの補助ロープを結んでみました。末端はライターで炙って潰しておくと、ほつれにくくなります。火傷に注意して作業してください。(撮影筆者)

効果の程ですが、装着したまま炎天下の駐車を2日続けた状態で、8個付けた吸盤は、どれもしっかりとくっついています。旧製品のような「1時間後に見たら剥がれていた」というストレスからは解放されました。外す時も、端から捲れば簡単に剥がせます。

購入価格は10個入り送料込みで約900円。1個90円というのは微妙に高い気もしますが、品質を考えたら大満足と言えるのではないかと思います。

自動車ジャーナリスト(元開発者)

国内自動車メーカー設計部門に約5年間勤務した後、地域タブロイド新聞でジャーナリスト活動を開始。同時に自動車雑誌にも寄稿を始め、難しい技術を分かりやすく解説した記事が好評となる。環境技術には1990年代から取り組み、ディーゼルNOx法改正を審議した第151通常国会では参考人として意見陳述を行ったほか、ドイツ車メーカーの環境報告書日本語版の翻訳査読なども担当。道路行政に関しても、国会に質問主意書を提出するなど、積極的に関わっている。自動車技術会会員。

安藤眞の最近の記事