新人王の行方は!? 今永が防御率を2点台に戻した翌日、昨年のドラフト全体1位は防御率を1点台に下げる
ナ・リーグには、ここまでに90イニング以上を投げているルーキーが4人いる。
いずれも、防御率は3.60未満。今永昇太(シカゴ・カブス)が97.0イニングで防御率2.97、ギャビン・ストーン(ロサンゼルス・ドジャース)が96.2イニングで防御率3.26、ミッチェル・パーカー(ワシントン・ナショナルズ)が91.2イニングで防御率3.44、ジャレッド・ジョーンズ(ピッツバーグ・パイレーツ)は91.0イニングで防御率3.56だ。
今永は、7月10日の6イニング無失点により、防御率を3.16から2.97とした。ジョーンズは、今月初旬に右の広背筋を痛め、故障者リストに入っている。
こちらも離脱中の山本由伸(ドジャース)は、74.0イニングで防御率2.92だ。ナ・リーグで二桁本塁打のルーキーは2人。ともに12本のホームランを打ち、マイケル・ブッシュ(シカゴ・カブス)が打率.278と出塁率.369、OPS.853、ジャクソン・メリル(サンディエゴ・パドレス)は打率.285と出塁率.318、OPS.763を記録している。
ただ、このままいくと、ナ・リーグの新人王は、この7人の誰かではなく、ポール・スキーンズ(パイレーツ)が手にしそうな気がする。
AAAで27.1イニングを投げた後、5月11日にメジャーデビューしたため、メジャーリーグではまだ66.1イニングながら、防御率は1点台だ。7月11日の7イニング無失点により、2.12から1.90とした。
防御率が低いだけではない。スキーンズの奪三振率は12.08、与四球率は1.78だ。ルーキー以外を含めても、ナ・リーグで50イニング以上を投げ、スキーンズを上回る奪三振率の投手はいない。
また、11登板中9登板は、6イニング以上を投げて2失点以下。あとの2登板も3失点なので、4点目を取られたことはない。
7奪三振未満は、11登板中1登板だ。5月17日(6イニング)と7月11日(7イニング)は、どちらも11三振を奪い、被安打と失点はゼロ、与四球は1だった。
スタッツ・センターによると、奪三振11以上、被安打0本、与四球1以下の登板が2度は、史上3人目。それまでは、1964年6月4日と1965年9月9日のサンディ・コーファックスと、2014年6月18日と2022年4月13日のクレイトン・カーショウ(ドジャース)しかいなかったという。1シーズンに2度は、スキーンズが初めてということになる。
スキーンズは、規定投球回には届かないかもしれないが、150イニング前後となりそうなペースだ。それだけ投げれば、他のルーキーよりイニングが少なくても、問題にはならないだろう。
デビュー前のスキーンズについては、こちらで書いた。