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1月6日、平成最後の部分日食を見よう-安全に観察するために大事なこと-

縣秀彦自然科学研究機構 国立天文台 准教授
安全に十分配慮して平成最後の部分日食を楽しみましょう。 (提供:国立天文台)

 東京では、朝8時43分頃に欠け始め、10時06分頃に最大となりこの時、直径で約4割が欠ける現象となります。11時36分頃に終了し、太陽は元の形に戻ります。今回は、北に行くほど大きく欠けて見える現象となります。全国各地の予報時刻など詳しくは、国立天文台「ほしぞら情報」の部分日食(2019年1月)をご確認下さい。

 日食とは、太陽-月-地球の順に宇宙空間で3つの天体が一直線に並ぶことで起こる現象です。昼間、太陽からの光を受けた月の裏側、すなわち月の影に地球が入ってしまい、そこだけ昼間なのに光があたらない、または太陽の一部が欠けてしまうのが日食です。今年は地球全体では3回の日食があり、そのうち2回(1月6日、12月26日)が、日本国内から部分日食として観察可能です。

1月6日の部分日食、東京での太陽の動きと日食の経過予報。 (提供:国立天文台)
1月6日の部分日食、東京での太陽の動きと日食の経過予報。 (提供:国立天文台)

 太陽の観察はとても危険です。太陽の光と熱のエネルギーは膨大なため、直接、太陽を見ると失明する危険があります。肉眼でも危ないのですから、天体望遠鏡や双眼鏡を使うことは極めて危険です。科学館スタッフや星のソムリエ(星空案内人)のような天体観察に詳しい人と一緒に、太陽投影法という間接的な方法で観察する以外は天体望遠鏡や双眼鏡は絶対使わないでください。

 太陽観察用の遮蔽版または日食グラスを用いて観察することをお勧めします。または、木漏れ日やピンホールカメラを用いて観察する方法もあります。より詳しい情報は国立天文台の日食の観察のしかたをご覧ください。

 太陽の光を見かけ上減光できるからといって、黒いごみ袋、アルミホイル、ポテトチップスなどの袋、色付きの下敷きなどで見ることもとても危険です。これらは赤外線を通してしまうため、可視光を減光していても、熱によって網膜が傷ついてしまう可能性が指摘されています。なお、2012年の金環日食の際に入手した日食グラスをお持ちの方は、表面が傷ついていないか、色が変色していないか等を確認してから使うようにしましょう。

 

 なお、国立天文台本部(東京都三鷹市)では、太陽研究用の太陽フレア望遠鏡を用いて、リアルタイムの太陽画像を配信予定です。また、全国各地の公開天文台や科学館でもインターネット中継を予定している所があります(日本公開天文台協会提供)。併せてお楽しみください。

自然科学研究機構 国立天文台 准教授

1961年長野県大町市八坂生まれ(現在、信濃大町観光大使)。NHK高校講座、ラジオ深夜便にレギュラー出演中。国際天文学連合(IAU)国際普及室所属。国立天文台で天文教育と天文学の普及活動を担当。専門は天文教育(教育学博士)。「科学を文化に」、「世界を元気に」を合言葉に世界中を飛び回っている。

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