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首都圏マンション発売戸数が激減。これは「暗い時代の始まり」なのか?

櫻井幸雄住宅評論家
東日本大震災の後、節電中の渋谷。今の日本にも同様の暗さがあるのだが……(写真:ペイレスイメージズ/アフロイメージマート)

 首都圏で新規に販売されるマンションの数が減っている。3月も減ったが、4月はさらに大幅な減少。不動産経済研究所の発表(5月20日)によると、首都圏で4月に発売されたマンション戸数は686戸で、前年同月比で51.7%の減少。前月(3月)と比べると、68.0%の減少となり、これまで例をみないほどの落ち込みだ。

 これは、仕方がない。

 首都圏のマンション販売センターは、4月7日の緊急事態宣言を受けて、ほぼ100%閉鎖された。その事情を知らない人のなかには、マンションがまったく売れないので販売センターを閉じた、と誤解する人もいる。が、実際は、販売センターを閉めたので、新規にマンション販売をしようがない(継続客とは交渉を続けた)のだ。

 4月に首都圏のマンション供給戸数が大幅減となったのは、食品フロア以外を閉鎖していたデパートが、その間、売り上げを大きく落としていたのと同じ現象である。

 新築マンションの供給数が大幅に減ったという数字から、マンションのたたき売りが始まる、という大胆な予測も生じかねない状況だが、果たしてどうか。

 じつは、3月以降、首都圏でマンション供給数が減った、という数字の他に、注目すべき数字も発表されている。

 東日本大震災の年に起きた「驚きの現象」が再現されるかどうかを含め、冷静なデータ分析で、これからの不動産市況を予測したい。

たしかに、マンション供給戸数は減ったが……

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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