3年続けて防御率1点台のクローザーが球団オプションを破棄される。それでもFAにはならず…
ミルウォーキー・ブルワーズは、デビン・ウィリアムズの契約についていた、年俸1050万ドルの球団オプションを破棄したようだ。ESPNのジェフ・パッサンが、Xでそう報じている。
パッサンは、オプションの破棄に加え、ウィリアムズは解約金の25万ドルを受け取り、ブルワーズに在籍したまま、年俸調停の最終年を迎え、その金額は800~900万ドルと予想される、と書いた後、トレードの可能性もあり、と記している。
ウィリアムズのサービス・タイムが6年に達し、FAになるのは、今オフではなくて来オフだ。球団オプションの行使あるいは破棄だけでなく、そもそも、球団オプションそのものがなかったとしても、FAのタイミングは変わらない。
昨オフ、ブルワーズとウィリアムズは、年俸調停を回避し、2024年の年俸700万ドルに2025年の球団オプションがついた契約を交わした。オプションは、行使する場合の年俸が1050万ドル、破棄する場合の解約金は25万ドルだ。
ここ3シーズンのスタッツは、奪三振率が14.24→13.35→15.78、与四球率が4.45→4.30→4.57、防御率は1.93→1.53→1.25と推移している。2022年の夏以降は、クローザーとして投げてきた。ただ、2022~23年はどちらも60登板以上ながら、2024年は腰の疲労骨折により、7月下旬まで欠場し、22登板にとどまった。
今オフ、ブルワーズは、ウィリアムズに1025万ドル未満の年俸を提示すると思われる。例えば、年俸が1025万ドルの場合、解約金の25万ドルと合わせると、1050万ドルだ。オプションと同額なので、破棄した意味がなくなる。
調停前に合意できず、ブルワーズが1025万ドル未満、ウィリアムズは1025万ドル以上の年俸を申請しても、調停の裁定はブルワーズの申請額になる、と踏んでいるのかもしれない。ルール上、両者の間という裁定はなく、どちらか一方の申請額に決まる。
2024年もウィリアムズが怪我に見舞われることなく、その前の2シーズンと同様に投げていたなら、ブルワーズは、1050万ドルのオプションを行使していただろう。そうすれば、年俸調停によってさらに高額な年俸になることを避けられる。
トレードの可能性があるのではあるのは、FAまであと1シーズンとなったことが理由だ。ブルワーズは、潤沢な資金を持ち合わせてはいない。スタッツから窺えるように、ウィリアムズを欲しがる球団は、いくらでもある。FAになれば、まず間違いなく、ブルワーズを去るだろう。その前にトレードで放出し、見返りを得る、という図式だ。
昨オフ、ブルワーズは、トレードにより、エースのコービン・バーンズをボルティモア・オリオールズに放出した。今オフ、バーンズは、オリオールズからFAになった。