東京はソウルに比べて感染状況が悪いのに本当に大丈夫なのだろうか?
日本は今日(19日)から4連休だ。秋の行楽シーズンの到来だ。折しも政府の観光支援事業「Go To トラベル」の割引を適用した東京発着旅行の予約が解禁された。来月1日からは東京も「Go To トラベル」の適応対象となる。
韓国も今月30日から10月4日まで秋夕(中秋節)の連休に入る。例年ならば、民族大移動が始まるところだ。ところが、「韓国防疫の英雄」と称されている新型コロナウイルス対策の責任者である鄭銀敬(チョン・ウンギョン)中央防疫対策本部本部長は「秋冬は最も大きなリスクだ」と述べ、国民に連休中の帰省や旅行の自粛を呼び掛けている。
最新の世論調査(15-17日)によると、当局の自粛要請に応え、韓国国民の81%が「帰省や旅行の計画がない」と答えていた。帰省を計画している人は16%いたが、1泊以上の旅行を計画している人は僅か1%に過ぎなかった。
信号機に例えるならば、日本は「青」が点滅し、なんとなく「レッツゴー」の雰囲気となっているようだが、韓国は極めて慎重で依然として「赤」のままだ。日韓の感染状況を比較すると、本来ならば立場は逆で、アクセルを踏んでも良さそうなのは韓国であって、ブレーキに足を掛けるべきは日本のような気がしてならない。
韓国の感染者は9月17日現在、累計で2万2783人なのに対して日本の感染者は7万7511人。総人口では日本(約1億2590万)は韓国(約5180万人)の2.4倍程度なのに感染者数は日本のほうが3.4倍も多い。死亡者数も韓国の377人に対して日本は1490人と、韓国の3.9倍である。明らかに感染状況は日本のほうが悪い。
双方の首都を比較すると、その差は歴然としている。
ソウル市の感染者は9月17日現在、4904人。これに対して東京都は2万3608人。ソウルの4.8倍だ。東京(約1400万人)の人口はソウル(約1000万人)よりも約400万人多いことを勘案しても4.8倍は明らかに多すぎる。死亡者に至ってはソウルの46人に対して東京は8.4倍の389人。感染者、死亡者数のどれをとっても東京は分が悪い。
それでも東京都は9月1日に警戒レベルを1段階引き下げ、9月15日から午後10時までの営業時間短縮要請も終了した。日本のプロ野球は今日から観客を球場収容人数の50%まで引き上げることができる。
(参考資料:(ソウルは警戒レベルを上げ、東京は下げた! 日韓「コロナ感染状況」の比較)
一方、ソウル市は8月15日に過去最多の154人の感染者が確認されたことから逆に社会的距離の確保のレベルを最高レベルの第3段階に近い2.5段階に8月24日から引き上げたままである。
室内は50人以上、室外は100人以上が集まる会合、集会、行事はすべて禁止となり、展示会、コンサート、結婚式、同窓会、祝賀会、パーティ、講演、採用試験や資格試験なども禁止対象とされている。日本よりも2週間遅れの7月26日に観客を入れたばかりの韓国プロ野球は僅か20日で無観客試合に舞い戻っている。
(参考資料:ソーシャルディスタンスを最高レベルに引き上げか! 非常事態の韓国の「コロナ感染」状況 )
日本は警戒レベルを引き下げ、韓国は引き上げたわけだが、9月1日から17日までの感染者数を比較すると、ソウル962人に対して東京は2791人と、ソウルの2.9倍も多い。
ソウルは三桁が1日(101人)の一度しかなかったが、逆に東京は二桁が7日と14日の2度しかなかった。また、11日から17日までの直近の一週間をみると、ソウルの314人に対して1164人と3.7倍である。
それぞれ事情は異なるが、依然として東京はソウルよりも感染者の増加率が高いのに本当に大丈夫なのだろうか?