ソーシャルディスタンスを最高レベルに引き上げか! 非常事態の韓国の「コロナ感染」状況
韓国中央防疫対策本部によると、昨日(26日)の韓国の新型コロナウイルス新規感染者は441人と、一日の感染者数としては3月7日(483人)以来、最多となった。
直近の10日間は246人(17日)、297人(18日)、281人(19日)、324人(20日)、322人(21日)、397人(22日)、266人(23日)、280人(24日)、320人(25日)、441人(26日)と、200人台を上回り、累計で3174人に達した。ちなみに8月1日から10日までは30人、23人、34人、33人、43人、20人、43人、36人、28人、34人で推移し、累計で約10分の1の324人であった。
韓国の感染者急増は首都圏での拡大に起因しているが、昨日も441人のうち154人がソウル、110人が京畿道、59人が仁川と、首都圏に集中していた。ソウル市の154人は8月18日の151人を更新し、2月23日に初の感染者が出てから過去最多となった。
首都圏での感染拡大は新興宗教団体「サラン第一教会」の集団感染が原因で、この教会関係者だけですでに933人の感染が確認されている。また、同教会がソウル市の中止勧告を無視して8月15日に強行した反文在寅集会に動員された出席者からも219人の感染者が出ている。
ソウル以外でも宗教活動が原因で大邱市(12人)、光州市(39人)、江原道(14人)、忠清南道(15人)、全羅南道(13人)でも感染者が一桁から二桁に増えている。昨日は全国17道・市で感染者がゼロだったのは唯一世宗市だけだった。
年齢別では50代の感染者が最も多く、441人のうち約4分の1の108人に上った。続いて60代65人、20代52人、30代50人、70代41人、80代19人の順になっている。19歳以下は36人であった。
死亡者は1人増え、累計で313人となったが、最も多いのが80歳以上で156人(感染者729人)。続いて70代94人(感染者1333人)、60代41人(2709人)、50代16人(3408人)、40代4人(2527人)、30代(2353人)2人となっている。20代以下(0歳~29歳)は感染者が5647人に達しているが、死亡者は1人も出ていない。
韓国は現在、ソーシャルディスタンス(社会的距離の確保)を第2段階に引き上げている。屋内は50人以上、屋外は100人以上が集まる会合、集会、行事がすべて禁止され、クラブ、ルームサロンなど遊興施設、カラオケ店、居酒屋、ジム、ダンス教室、ビュッフェ、インターネットカフェなどの営業も規制されている。野球、サッカーも再び無観客試合となっている。幼稚園と小・中・高校(高3だけは除外)及び特殊学校も26日から休園、閉校となり、オンライン授業に切り替えられている。
(参考資料:防戦一方の「コロナ感染対策」! 韓国は事実上「緊急事態宣言」状態!)
第2段階で感染拡大を阻止できなければ、最高レベルの第3段階に移るが、10人以上の行事や会合が禁止される。すべての公共施設が閉められ、公衆浴場や学習塾、一般の飲食店、映画館、銭湯、サウナ、室内の体育施設、葬式場なども運営中止を余儀なくされる。レストランなども夜間営業を中止しなければならない。
第3段階に引き上げられれば、再度災難支援金(特別給付金)を支給する必要性が生じるが、世論調査会社「リアルメータ―」が行った最新の世論調査(25日)では第2次支援金については国民の76.6%が賛成、20.1%が反対していた。但し、「賛成」では「全国民への支給」が40.5%、「選別して支給」が36.1%と意見が分かれていた。