Jリーグに合うのはハリウッド映画か、フランス映画か
結果的にJリーグを優勝したチーム、国内タイトルの三冠を狙うチームが、そのリーグの最終戦で、33戦して3勝、勝ち点13しか挙げていない弱小チームに0−0で引き分けてしまった。徳島対ガンバ大阪の話だが、ガンバ大阪を同勝ち点で追う浦和も名古屋に敗れた。さらに言えば、優勝の可能性が残されていた3位鹿島も鳥栖に敗れた。
最終節で、優勝を争った3チームは揃って勝利を飾ることができなかった。今季のJリーグは、締まりのない終わり方だったと言える。
最下位徳島に、不甲斐ない戦いをして引き分けたその直後、歓喜を爆発させることになったガンバ大阪。「優勝」のイメージが湧きにくい、何とも言い様のない不思議な光景だった。
それに、浦和の失態が輪を掛けた。両者はまさにダメダメ合戦を演じたわけだ。フィギュアスケートで言えば、優勝を争う二人が、揃って転倒したようなものだ。これもまた勝負。僕にはそれはそれで面白く映ったが、世間には伝わりにくい面白さであったことも事実だ。
「これでお終いなの?」と、呆気にとられることが多かった、フランス映画社配給の映画を見た後のような気持ちに似ている。アメリカ的というよりヨーロッパ的。アメリカのハリウッド映画に近いものをトーナメント戦とするならば、ヨーロッパの映画に近いのはリーグ戦。すなわち今季のJリーグは、良く言えばヨーロッパ的な、リーグ戦に相応しい終わり方だったと言い表すことができる。
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