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Jリーグに合うのはハリウッド映画か、フランス映画か

杉山茂樹スポーツライター

結果的にJリーグを優勝したチーム、国内タイトルの三冠を狙うチームが、そのリーグの最終戦で、33戦して3勝、勝ち点13しか挙げていない弱小チームに0−0で引き分けてしまった。徳島対ガンバ大阪の話だが、ガンバ大阪を同勝ち点で追う浦和も名古屋に敗れた。さらに言えば、優勝の可能性が残されていた3位鹿島も鳥栖に敗れた。

最終節で、優勝を争った3チームは揃って勝利を飾ることができなかった。今季のJリーグは、締まりのない終わり方だったと言える。

最下位徳島に、不甲斐ない戦いをして引き分けたその直後、歓喜を爆発させることになったガンバ大阪。「優勝」のイメージが湧きにくい、何とも言い様のない不思議な光景だった。

それに、浦和の失態が輪を掛けた。両者はまさにダメダメ合戦を演じたわけだ。フィギュアスケートで言えば、優勝を争う二人が、揃って転倒したようなものだ。これもまた勝負。僕にはそれはそれで面白く映ったが、世間には伝わりにくい面白さであったことも事実だ。

「これでお終いなの?」と、呆気にとられることが多かった、フランス映画社配給の映画を見た後のような気持ちに似ている。アメリカ的というよりヨーロッパ的。アメリカのハリウッド映画に近いものをトーナメント戦とするならば、ヨーロッパの映画に近いのはリーグ戦。すなわち今季のJリーグは、良く言えばヨーロッパ的な、リーグ戦に相応しい終わり方だったと言い表すことができる。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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