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八百長問題より根が深い、日本の勝利至上主義

杉山茂樹スポーツライター

アジア杯のノルマは優勝。八百長問題を抱えるアギーレを辞めさせたい。その任命責任がある人を追求したいとの一部メディアの思惑も絡み、世の中はいま何となくそうした方向に進んでいる。だが、フラットに物事を考えれば、これは対戦相手をリスペクトしない、謙虚さに欠ける傲慢な態度と言っていい。

前回大会。ザックジャパンは確かに優勝を飾った。しかし、韓国戦(準決勝)、豪州戦(決勝)は、運なしに語れない試合だった。韓国戦は延長PK戦。豪州戦も延長だった。優勝は、そこで、李忠成の滅多に拝めないスーパーゴールが炸裂した結果の産物だった。

前々回大会も、この両国とは接戦だった。いずれも延長PK戦。豪州(準々決勝)には勝ったが、韓国(3位決定戦)には敗れた。

豪州、韓国、日本。この中で日本のレベルが抜けているわけではない。11月に大阪・長居で行われた豪州との親善試合の内容を考えれば、今回の開催国である同国に対しては、不利が予想される。

サッカーは勝負に運が絡む確率は3割とは、これまで再三述べてきた定説だが、日本の立ち位置と、そうしたサッカーの競技性を勘案すれば、ノルマは最大でも決勝進出がいいところだ。妥当な線はベスト4。運に恵まれなければ、準々決勝で敗れることもあり得る。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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