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保育の指導実習は失敗できる貴重な機会~元男性保育士が教える【指導実習に大切な7つのポイント】

hirofuminice元保育士Webライター

保育士や幼稚園教諭、保育教諭など子どもに関わる仕事に就くために学んでいる学生の皆さん、こんにちは。

元男性保育士のナイスです。

保育園や幼稚園などに実習に行くと、部分実習や1日実習など指導実習を行う機会があります。かなり緊張すると同時に、目標の保育士や幼稚園教諭に着実に近づいていることを実感できる瞬間でもあるでしょう。

今回の記事は、保育園や幼稚園での指導実習に臨む際のポイントを解説します。

尚、「保育実習を有意義にするために大切なこと~元男性保育士が教える【保育実習の準備で大切なことと心構え】」では実習の準備で大切なことや心構えについて解説していますので、あわせてお読みください。

指導実習は「完璧を目指す」よりも「失敗を恐れない」ほうがよい

夢が叶って保育士や幼稚園教諭になると、子ども達の前に出てお話ししたりピアノを弾いたりすることが日常です。実習は、実際に自分が保育士や幼稚園教諭になる未来が現実感をもって想像できる機会でもあります。その貴重な機会を、ぜひ実り多いものにしましょう。

大切なことは、完璧にしようと思わないことです。もちろん、完璧や成功を目指すのは悪いことではありません。しっかり努力をしようとするモチベーションにもなります。しかし、その分余計なプレッシャーがかかったり緊張が高まったしがちです。

指導実習に失敗はつきもので、失敗することで学べることはたくさんあります。失敗しなければ学べないこともあるのです。完璧を求めるあまり失敗を恐れるのではなく、失敗する覚悟で思いきり挑みましょう

保育の指導実習で大切な7つのポイント

失敗を恐れず挑むことは大切ですが、もちろん失敗を目指すわけではありません。指導実習を今後につなげる有意義なものにするためのポイントを7つ紹介します。

保育の指導実習で大切なポイント① 早めに計画を立てる

指導実習を行う場合は指導案を作成して担当の先生に提出し、事前指導を仰ぎます。忙しい先生達は、提出してもすぐに目を通す時間はないかもしれません。ゆっくり目を通してもらうためにも、早めに提出をしましょう

実習前に、実習先を訪れてオリエンテーションを受ける機会がありますが、そのときには指導実習でやりたい内容を決めて相談しましょう。やりたいと思うことが複数あるなら、どれがよいか相談してもよいでしょう。

早めに提出することで、フィードバックも早めにもらえるので、修正や準備が余裕をもってできるメリットもあります

保育の指導実習で大切なポイント② 自分なりのねらいを明確に

ねらいや目標があやふやでただなんとなく行うのではなく、指導実習をとおして自分が学びたいねらいや目標を明確にすることが大切です。「前回の実習では3歳未満児のクラスに多く入ったから、今回は5歳児について学びたい」「制作が得意だから、得意なものを活かして制作活動をしよう」「運動が苦手だから、敢えて運動遊びに挑戦しよう」など具体的なねらいをもって内容を決め、計画を立てましょう。

保育の指導実習で大切なポイント③ 事前にたくさん相談をする

実際に指導した経験がない学生には、わからないことが山ほどあるはずです。先ほど「失敗を恐れずに」と言いましたが、活動がうまくいかないと子ども達に迷惑がかかります。指導実習に参加してくれる子ども達に楽しんでもらうためにもわからないことは事前に質問や相談をたくさんして、できるだけ疑問点や不安な点を解消しましょう。自分自身も、より自信をもって実習に臨むことができるでしょう。

保育の指導実習で大切なポイント④ 時間配分を細かくする

指導案を立てるときは、できるだけ細かく時間配分をしておきましょう。ベテランの保育士でも、毎回想定した時間どおりにすすめられるとは限りません。むしろ時間どおりにいかないことのほうが多いくらいです。したがって時間配分はあくまでも目安で、必ず時間どおりに進行しなければいけないわけではありません

ただ、終了時間は守らなければいけません。保育園や幼稚園では学校の授業のようにきっちりと時間が決められているわけではないため、多少延長しても差し支えないこともあります。しかし保育室以外のホールなどの公共の場所を交替で使う場合に時間を過ぎてしまうと、次に使うクラスには迷惑です。また、給食や午睡、降園などの時間が遅くなってしまうと困ります。そのためには時間を確認しながら進行し、予定より早く進んでいたら余裕をもって進行する、逆に予定より遅くなっていたら何かを省いたり少しスピードアップしたりなど、予定時間と実際の時間を照らし合わせて調整するように心がけましょう。

保育の指導実習で大切なポイント⑤ 想定をしっかりしておく

時間どおりに進行できなかったとき慌てないよう、事前にさまざまな想定をしておくことが大切です。「時間が余ったら手遊びをしよう」「時間が足りなくなったら最後に予定している絵本の読み聞かせを省こう」など、時間が余った場合と足りなくなった場合のどちらにも対応できるように準備をしておきましょう。

時間もそうですが、指導案どおりにスムーズに進むとは限りません。いろいろなハプニングが起こることもあり、予想外の事態が起こることもあるでしょう。どうしてよいかわからなければ先生に聞いたり助けを求めたりして、落ち着いて対応しましょう。

保育の指導実習で大切なポイント⑥ 何よりも自分が楽しむ

指導実習では緊張して、楽しむ余裕はないかもしれません。しかし、保育士が楽しまなければ子ども達も楽しむことはできません。緊張もすればハプニングに慌てることもあるでしょう。それでも楽しむ気持ち、楽しもうとする気持ちは忘れないようにしてください。

保育の指導実習で大切なポイント⑦ 終わった後の振り返りやフィードバックを大切に

指導実習は、終わった後が大切です。自分で「うまくいった点とうまくいかなかった点」「難しかったこと」など振り返りを行い、記録をしたり何がよくなかったのか考えたりして次につなげましょう。また、指導してくれる先生方からもいろいろなフィードバックをもらえるはずです。もしかしたら厳しい言葉もあるかもしれませんが、今後のために指導していただいていることに感謝しながら真摯に聴き、素直に受け止めることが成長への秘訣です。

まとめ

保育園や幼稚園実習での指導実習のポイントを解説しました。思っていたようにできず「もう一度やり直したい」と思っても、やり直すことはできません。しかし、その失敗や悔しさが保育士や幼稚園教諭になったときに大きな力となるはずです。貴重な指導実習の機会を楽しみ、たくさんのことを経験して学びにつなげてください。

元保育士Webライター

元保育士で、現在はフリーランスとしてWebライターのほか、リトミックや親子遊びの指導など幅広く活動しています。保育士やリトミック指導のスキルや知識、父親としての子育て経験を基に、子育てや保育に関する情報を発信していきます。

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