最後の一滴まで飲み干せるスープ。豚骨王国で存在感を放つ非豚骨ラーメンは、爽やかで革新的な一杯。
麺屋 最後の一滴
天神北の親不孝通りにある「麺屋 最後の一滴」。2022年11月にオープンしたお店は〈醤油ラーメン〉と〈油そば〉をメインとするお店。豚骨王国である博多の街で、非豚骨ラーメンの中でも存在感を放ち、その名の通り「最後の一滴まで飲み干せる美味いスープ」として話題のお店です。このお店のネーミングもシンプルながら、心に響くインパクトがありますね。
親不孝通りにある〈天神バッカス館〉というビルの通路を入った奥にお店があります。暖簾には達筆の店名が描かれ、路面店のように目立つ場所ではありませんが、この隠れ家感が逆に良く、数多くのファンが訪れます。ラーメンマニアはもちろん、女性一人でも訪れやすい雰囲気です。
麺にスープ、香味油に醤油ダレのこだわりが書かれています。メニューは、醤油ラーメンの中には〈カツオ〉や〈エビ〉、さらには〈オレンジ〉や〈オレンジと貝〉というラインナップで、そして油そばがあります。季節にあわせ、期間限定メニューも用意されていて、どれを食べようか迷ってしまうほど。博多の一般的なラーメン屋さんとはひと味違う、斬新でオシャレなメニューが揃います。
国産の鶏ガラと鶏油、そして日高昆布で炊き上げたベースとなるスープ。そこに鹿児島枕崎産のカツオの乾物を使用した香味油を加えることで、味に深みが増す。そしてカエシは薄口醤油に刺身醤油をブレンドし、さらにホタテ貝柱を漬け込むことで貝の旨味が引き立てる。随所に細かいこだわりが散りばめられた、まさに最後の一滴まで飲み干せるスープです。
オレンジと貝(スペシャル)
革新的な一杯という〈オレンジと貝〉をスペシャルでいただきました。爽やかなオレンジに貝の出汁をあわせ、少しピリ辛な刺激も加えています。スペシャルにすると、チャーシュー2枚増量、そしてネギも増量でメンマもプラス、さらに煮玉子もトッピングされた豪華仕様です。麺が隠れるくらいに盛り付けられています。
爽やかさを求めたら、オレンジだけでも良いそうで、貝の出汁が加わることで味に厚みが出ます。この鶏ガラベースのスープに加える味が変わることで、様々な変化を楽しめるのもこのお店の魅力。また、トッピングのネギもシャキシャキで、ローストビーフのようなチャーシューに味が染みた煮玉子も素晴らしい出来栄え。
あっさりとさっぱりと爽やかな仕上がりのスープ。鶏の旨味はさることながら、オレンジというのは本当に革新的。薄味というわけではなく、最初のひと口はさっぱりとしながらも、九州醤油ならではの甘さがあるカエシと、だんだんと深みを増す味わい。そこに少しだけピリッと辛さの刺激が加わる、まさに絶妙のコントラスト。
そして驚くべきは麺。京都の老舗製麺の「麺屋 棣鄂(めんや ていがく)」の麺を使用。多加水の中太ストレート麺は、この斬新で爽やかなスープにバッチリ合うように組合せ。ツルモチの食感は、スープの味わいを見事に絡めながら、麺の味わいと食感と共に美味しくいただけます。
そしてこの低温仕上げのチャーシューはローストビーフのよう。お肉の旨味と味わいと、これだけでいただいても良いくらいの美味しさです。
ミニチャーシュー丼
トッピングにもあるチャーシューに覆われたミニチャーシュー丼。特製のタレがかけられています。このローストビーフのようなチャーシューとご飯の組み合わせは最高。またタレも美味い。〈カツオ〉と〈エビ)には追い飯もあるようで、スープに入れて食べるのも美味しいようです。
店内は、厨房を囲むようにカウンター席があり、離れてもう一つカウンター席があります。まずは入口のタッチパネル食券機で食券を購入。白木を基調とした明るい店内で、一人でも気軽に立ち寄れます。
スッキリとしながらも、深みある味わいは、まさに最後の一滴まで飲み干したい、そう思える一杯です。天神の一角でいただける非豚骨ラーメン。あっさりしたラーメンを食べたい、豚骨が苦手、そんな方にはおススメ。
通り沿いにもこのように看板も出ていて、通路に入れば〈醤油ラーメン〉〈油そば〉と描かれた幟も立っています。これを目印に訪れたら見つけられる隠れ家的な非豚骨ラーメン屋さん。天神エリアでは話題となっている、独自の道を歩むオシャレな醤油ラーメン。ぜひ一度味わってみては。
麺屋 最後の一滴
住所:福岡県福岡市中央区天神3丁目4−15 天神バッカス館 102
営業時間:11時30分~14時30分
18時00分~21時00分
定休日:不定休
アクセス:天神駅から徒歩5分
駐車場:近隣有料