ワールドシリーズのヒーローが、球団殿堂入りを辞退する
6月17日、セントルイス・カーディナルスは、デビッド・フリーズが球団の殿堂入りを辞退したことを発表した。
ファンの投票により、フリーズは、マックス・ラニアーとホゼ・オケンドーとともに選出された。得票が最も多かったのは、フリーズだ。殿堂入りのセレモニーは、8月20日に催される。
フリーズの声明文によると、辞退の理由は「身に余る」ということらしい。
メジャーリーグでプレーした11シーズンのうち、カーディナルス時代は最初の5シーズン、2009年から2013年までだ。主に三塁を守り、計466試合に出場。打率.286と出塁率.356、44本塁打、OPS.783を記録した。
ベスト・シーズンは、最初で最後のオールスター・ゲームに選ばれた2012年だろう。この年は、打率.293と出塁率.372、20本塁打、OPS.839。キャリア全体を通し、15本以上のホームランを打ったシーズンは、他にはない。出塁率とOPSも、200打席以上の9シーズンのなかでは、2012年が最も高い。
フリーズが殿堂入りを辞退したのも、わかるような気がする。その一方で、多くのファンが殿堂にふさわしいと思っているのも、頷ける。
フリーズがいなければ、2011年のワールドシリーズ優勝は、カーディナルスではなく、テキサス・レンジャーズだったかもしれない。
シリーズ5試合を終え、カーディナルスは2勝3敗。第4戦と第5戦を続けて落とし、レンジャーズに王手をかけられた。
第6戦の9回裏に、フリーズが打席に入った時、一塁と二塁に走者はいたものの、2点リードされていて、すでに2アウトだった。そこで、フリーズは三塁打を打った。さらに、同点の11回裏には、ホームランで試合を終わらせた。上の写真は、そのホームイン直前だ。
第7戦は、6対2でカーディナルスが勝利を収めた。フリーズは、この試合でも、0対2の1回裏に、二塁打を打って2人を生還させた。
カーディナルスのワールドシリーズ優勝は、この年が最後だ。レンジャーズは、ワールドシリーズで優勝したことがない。
なお、今シーズンのカーディナルスについては、こちらで書いた。