ノート(237) 出所に向けた弁護士との面会と具体的な準備
~続・工場編(30)
受刑364/384日目
民間委託の先駆け
その後の3週間は、図書計算工場で差し入れ本の整理や官本の許可証を作成するなどしてすごした。暖かさも一段と増し、プレハブ2階の工場の窓から見える桜の木もすっかり葉桜となっていた。
この間、雑居房の抜き打ち検査で、シッカロールの缶の中に石鹸を入れていた受刑者がいたということで、問題となったことがあった。本人としては単なる匂い付けのためだったが、検査では「隠し持っていたのではないか」と判断された。
この「捜検」と呼ばれる保安検査を行ったのは、民間警備会社の職員だった。というのも、静岡刑務所は、官民協働による刑事施設の整備や運営の先駆けとして、2010年から総務や警備業務などの一部を民間業者に委託していたからだ。
この記事は有料です。
元特捜部主任検事の被疑者ノートのバックナンバーをお申し込みください。
元特捜部主任検事の被疑者ノートのバックナンバー 2023年4月
税込1,100円(記事3本)
2023年4月号の有料記事一覧
※すでに購入済みの方はログインしてください。