[高校野球]仙台育英の優勝が「10秒の壁」になるのか?
先日アップした『仙台育英が開けた、もうひとつの「100年の扉」とは? 甲子園・過去10大会のランキング』https://news.yahoo.co.jp/byline/yonobuyuki/20220923-00316347
の続編である。直近5回ずつの選抜高校野球大会、全国高校野球選手権大会(つまり、春夏ともに中止になった2020年を除く2017〜22年)の47都道府県別戦績を調べてみた。ベストテンは上記の記事で紹介したが、せっかくなので47位までを記してみる。
1 大 阪 39勝8敗(春21勝4敗 夏18勝4敗)
春優勝/大阪桐蔭3 夏優勝/大阪桐蔭、履正社 春準優勝/履正社
2 東 京 22勝10敗(春7勝7敗 夏15勝10敗)
3 和歌山 20勝10敗(春12勝6敗 夏8勝4敗)
夏優勝/智弁和歌山 春準優勝/智弁和歌山
4 滋 賀 19勝10敗1分(春7勝5敗1分 夏12勝5敗)
夏準優勝/近江
5 兵 庫 17勝11敗(春7勝5敗 夏10勝6敗)
6 奈 良 16勝11敗(春6勝6敗 夏10勝5敗)
夏準優勝/智弁学園
7 宮 城 15勝7敗(春3勝3敗 夏12勝4敗)
夏優勝/仙台育英
8 埼 玉 14勝7敗(春3勝2敗 夏11勝5敗)
夏優勝/花咲徳栄
石 川 14勝9敗(春7勝4敗 夏7勝5敗)
夏準優勝/星稜
神奈川 14勝10敗(春8勝4敗 夏6勝6敗)
春優勝/東海大相模
11 愛 知 13勝11敗(春8勝3敗 夏5勝6敗)
春優勝/東邦
12 大 分 12勝9敗(春8勝4敗 夏4勝5敗)
春準優勝/明豊
福 岡 12勝12敗1分(春10勝6敗1分 夏2勝6敗)
14 岩 手 11勝10敗(春5勝5敗 夏6勝5敗)
広 島 11勝12敗(春5勝7敗 夏6勝5敗)
夏準優勝/広陵
16 京 都 10勝9敗(春4勝4敗 夏6勝5敗)
千 葉 10勝11敗(春5勝5敗 夏5勝6敗)
春準優勝/習志野
18 山 口 9勝8敗(春0勝3敗 夏9勝5敗)
夏準優勝/下関国際
高 知 9勝11敗(春2勝6敗 夏7勝5敗)
20 福 島 8勝8敗(春2勝3敗 夏6勝5敗)
福 井 8勝10敗1分(春2勝5敗1分 夏6勝5敗)
22 栃 木 7勝7敗(春3勝2敗 夏4勝5敗)
群 馬 7勝8敗1分(春4勝3敗1分 夏3勝5敗)
長 崎 7勝8敗(春2勝3敗 夏5勝5敗)
熊 本 7勝8敗(春3勝3敗 夏4勝5敗)
愛 媛 7勝9敗(春0勝4敗 夏7勝5敗)
27 秋 田 6勝6敗(春0勝1敗 夏6勝5敗)
夏準優勝/金足農
青 森 6勝7敗(春0勝2敗 夏6勝5敗)
三 重 6勝7敗(春3勝2敗 夏3勝5敗)
香 川 6勝7敗(春1勝2敗 夏5勝5敗)
31 山 形 5勝6敗(春0勝1敗 夏5勝5敗)
岐 阜 5勝8敗(春1勝3敗 夏4勝5敗)
茨 城 5勝9敗(春4勝4敗 夏1勝5敗)
34 長 野 4勝6敗(春0勝1敗 夏4勝5敗)
富 山 4勝7敗(春0勝2敗 夏4勝5敗)
山 梨 4勝8敗(春1勝3敗 夏3勝5敗)
静 岡 4勝9敗(春2勝4敗 夏2勝5敗)
38 島 根 3勝6敗(春0勝1敗 夏3勝5敗)
沖 縄 3勝6敗(春1勝1敗 夏2勝5敗)
40 鹿児島 2勝6敗(春0勝1敗 夏2勝5敗)
岡 山 2勝8敗(春0勝3敗 夏2勝5敗)
宮 崎 2勝9敗(春0勝4敗 夏2勝5敗)
43 新 潟 1勝5敗(春/未出場 夏1勝5敗)
鳥 取 1勝7敗(春1勝2敗 夏0勝5敗)
徳 島 1勝7敗(春0勝2敗 夏1勝5敗)
北海道 1勝16敗(春1勝6敗 夏0勝10敗)
47 佐 賀 0勝7敗(春0勝2敗 夏0勝5敗)
とまあ、こんな感じです。
九州、関東、近畿……と時代が移った
6位までの5つを独占する近畿の強さは圧倒的で、ほかには東北の躍進も目立つ。上位30に5県が入り、宮城、岩手はいずれも10勝以上である。東北6県では、2強が引っ張る傾向が強く、青森の6勝は八戸学院光星が5、青森山田が1。以下岩手11勝=盛岡大付7・花巻東3・一関学院1、秋田6勝=金足農5・明桜1、山形6勝=鶴岡東4・日大山形2、宮城15勝=仙台育英14、東北学院1、そして福島の8勝はすべて聖光学院によるものだ。
中国勢は広島、山口以外、九州も明豊が台頭する大分、福岡以外はやや元気がない。九州は、佐賀北が07年夏に優勝して以後、08年春の沖縄尚学、09年春の清峰、そして10年は興南が春夏連覇、11年春は九州国際大付が準優勝と、黄金時代だったのだが……。いまは中止だった20年を除き、6年連続で春夏どちらかを優勝している近畿の時代か。待て待て、その前の13〜17年夏は、関東勢が4回優勝だ。
もし勢力図がひんぱんに塗り替わるのなら、今度は東北の時代になるかもしれない。たとえば、陸上の100メートル。日本人には無理と思われていた10秒の壁を桐生祥秀が突破すると、次々とそれに続いたように、だ。