北朝鮮が木曜日に巡航ミサイル4発を発射と主張、名称は「ファサル2」と判明
2月24日、北朝鮮は前日23日の早朝に戦略巡航ミサイルの発射訓練を実施したと発表しました。そしてこのミサイルの名称が「ファサル2」だと初めて判明しています。
《화살-2》
ファサル2、Hwasal-2、箭矢2。朝鮮語《화살》は日本語では「矢」の意味です。
北朝鮮東部の咸鏡北道・金策市から日本海に向けて4発を発射し、設定された2000kmに相当する距離を楕円および8の字で飛行して、1万208秒~1万224秒間(約170分間)飛行して標的を命中打撃したと説明されています。
発表された数値そのままだとすると平均速度は約700km/hと亜音速巡航ミサイルとしては少し遅いので、もし各国の亜音速巡航ミサイルの平均的な速度の850km/h前後だったならば約170分間の飛行時間で距離2400kmほどを飛んでいた計算になります。発表数値の飛行距離2000kmは大雑把な数字を述べただけで、実際にはもっと長い距離を飛んでいたのかもしれません。
なお金策市の約30km東方の海上に北朝鮮軍が何時も射爆場に使っている無人島「卵島(알섬)」があります。ファサル2巡航ミサイルは日本海をグルグル飛行して戻って来てここに着弾した可能性があります。ただし今のところ発表されている写真は発射時の1枚のみです。(追記:朝鮮中央TVの追加報道では着弾シーンらしき映像があり、卵島に着弾させた可能性が高い。)
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※北朝鮮が2022年に発射した戦略巡航ミサイルは合計6発。2022年1月25日、10月12日、11月2日に各2発ずつを発射と主張。
※ただし低空を飛ぶ巡航ミサイルは探知し難く、米韓側は発射を探知できていない。これは発射試験や訓練なので遠くを飛んでいるため。弾道ミサイルならば高く飛ぶので探知できるが、低空を飛ぶ巡航ミサイルが遠いと地球の丸みの陰に隠れてしまい、地上レーダーでは物理的に視程外なので探知できない。