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【やっぱり外で走った方がいいの?】ジムで走っていた自分が、屋外で走るようになった理由とそれぞれの利点

たくや/ランナー医師、ランナー、ランニングコーチ

ランニングを続けるために、暑さ寒さのなかで、また雨のなかで走らなければならない時もあります。また、仕事で夜遅くなって外で走るのをためらうこともあると思います。そんな時に役立つのが、スポーツジムにあるランニングマシーン~トレッドミルです。
自分は昔、大学病院に勤務していて多忙だったころ、トレッドミルの練習ばかりでした。何か無機質で楽しくないかもしれませんが、それなりに走った気にはなれます。そんなトレッドミルですが、果たして効果があるのでしょうか。それともトレッドミルではなくて、外で走った方がよいのでしょうか。屋外の練習の利点、トレッドミルの利点は何でしょうか。それぞれの利点を考えてゆきましょう。

屋外での練習の利点

多くのシリアスランナーはトレッドミルではなく、屋外で走っています。それは上りでも下りでも、追い風でも向い風でも体幹がブレないで走る強い体をつくれるからです。そして着地によるアスファルトからの強い衝撃に耐える足をつくる目的もあります。筋肉や骨への負担は、屋外のランニングの方が強いのです。

また、特に強度の低い屋外のランニングは、気持ちよくて楽しいものです。

実際に屋外運動と屋内運動を比較した総説論文では、多くの文献で幸福感があがるとしています。また屋外のウォーキングについて調べたものですが、オドボール課題という作業を運動後にしてみると、屋内よりも屋外の方が、速さも正確さも向上したとの報告もあります。ランニングにより、仕事の能率や正確さもアップする可能性があるわけです。

屋外での運動の利点をまとめてみます。
・上りや下り、追い風や向い風などの環境の変化に対応する練習になる。
・強い着地の衝撃に負けない体をつくる。
・気分転換になる、精神的に安定する。
・仕事の能率・正確さが上がる。
朝の仕事前のランニングや、しっかりと走力をつけたいときの練習なら、やはり屋外をおすすめします。

屋内(トレッドミル)でのランニングの利点

トレッドミルの利点は、天候や環境によらずに練習できることです。雨の日でも暑くても、花粉が飛んでいても光化学スモッグでも練習ができるのが一番の利点です。また、スピードや傾斜の調節が細かくできるので、練習の強度の調節がしやすいことも利点です。オーバーペースで入ってしまったり、他のランナーとの交錯や信号で止まらなければならないこともありません。安定した練習ができることも利点です。また、ベルトコンベアは柔らかいので、着地の衝撃も緩和されます。

着地の衝撃に強い体は作りにくいのですが、逆に怪我しているときには有用です。上のグラフはフルマラソンを走行したときの脛骨(膝からから足首の、太い方の骨です)の衝撃と、トレッドミルの衝撃を調べたものです。フルマラソンでは後半になると、疲れてきた下肢への負担をやわらげるように、衝撃が少ない走りをするようになります。ですが、トレッドミルはそれよりも衝撃が少ないんです。

屋内(トレッドミル)の利点をまとめてみます。
・雨や暑さ夜の暗さなど、天候や環境によらず練習ができる。
・速さや傾斜の調節ができる。運動強度の調節がしやすい。
・衝撃が少なく、身体への負担が少ない。
・アレルギー(花粉症)や、日焼けを気にしないで走れる。

外で走れないときはもちろんですが、脚に怪我や疲労・ダメージがあるけど心肺には刺激を入れておきたいとき、そんなときには有用ではないでしょうか。

さいごに

自分はトレッドミルの練習ばかりだったのにも関わらず、ハーフマラソンで1時間30分を切れました。屋内でのランニングは、時間や天候を選らばず安全にトレーニングできます。心肺を鍛えるのは、トレッドミルで十分だと思っています。
ですが本当の足の強さ、体の強さをつくるのは屋外のランニングが必要です。自分は屋外をしっかりと走るようになって、フルマラソンを終盤まで粘れるようになりました。そして初めて3時間を切れました。タイムが伸び悩んできたり、マラソンを終盤まで力強く走りたいのであれば、屋外での練習を組み合わせましょう。

医師、ランナー、ランニングコーチ

41歳まで某大学病院の消化器肝臓内科で勤務、現在は都内の一般病院で内科医をしています。また、中学でランニングを始めて走歴は約40年、その経験を活かしてランニングステーションでコーチもしています。総合内科専門医・消化器病専門医・肝臓専門医・抗加齢医学会専門医、JMJA公認ランニングドクター他、資格は多数。フルマラソンの完走は67回でベストタイムは2時間50分31秒(2019湘南)。ランナーからよく聞かれることやランナーに伝えたい事を、科学的なエビデンスと経験をもとに記事を書いています。

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