熱帯擾乱が週末から週明けに日本の南へ北上する計算も?
雲頂高度16000メートル以上の積乱雲群
タイトル画像をみると、本州の南海上に横たわる梅雨前線の雲域とは別に、日本のはるか南海上の赤丸の中で、活発な雲域がまとまってきています。この雲域付近には、上図にあるように雲頂高度16000メートル以上の積乱雲群がひしめき合っていて、きょう22日(水)午前9時に低圧部という解析になりました。
低圧部とは雲の循環は認められるものの、その中心付近がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心付近が推定されるようになると、熱帯低気圧に名前が変わります。また熱帯低気圧の風が強まれば、台風となります。今後、この低圧部はどのような動きをするでしょうか?
当面低圧部のままフィリピン沖へ
気象庁の予想によると、発生した低圧部は、西寄りに進み、当面低圧部のまま、あさって24日(金)午前9時にはフィリピン沖に達する見込みです。その後、日本のアンサンブル予報をみると、この低圧部は、週末から週明けにかけて、フィリピンに到達して消滅するような計算が多い一方で、やや発達しながらフィリピンの東から沖縄の南方へ北上する計算もあり、今のところ、その可能性は20%程度となっています。
一方、諸外国の計算では、この20%程度の予想が主体とみられるような計算結果を出している所も多く、不確実ながらも、侮れない計算結果となっています。もし仮に台風に発達すれば、1951年の統計開始以来、7番目に遅い台風1号の発生ということになります。(関連記事)
GFSの予想では、週末から週明けに日本の南へ?
あくまでも参考ですが、アメリカのGFSモデルの最新の計算では、上図のように、台風とみられる勢力に発達して、週明け27日(月)午前9時には、沖縄本島の南海上に北上する予想です。
その後は、太平洋高気圧の縁辺を北東に進み、本州付近で次第に深まる偏西風に乗るように日本の南をさらに加速しつつ北東進し、28日(火)頃にかけて、伊豆諸島付近を通過する予想となっています。これはあくまでも本州付近に最も近づくシナリオの一つとも言えますが、北から南下する前線帯と一体となり、関東などに大雨をもたらすような計算もあります。
週明けは、不確実ながらも雨の情報に要注意
10日間予報をみると、週末までは晴れる東京や名古屋などでも、週明けの27日(月)から28日(火)にかけて、北や西から到達する深い前線帯の影響で、雨が降る予想となっています。
南の海上に熱帯擾乱が北上しなくても、湿った空気の影響で、雨雲が活発化する計算となっていますが、もし万が一、南から熱帯擾乱がからむようなことがあれば、雨への警戒度をもう一段上げる必要が出てくるかもしれません。とはいえ、まだまだ不確実性が大きく、たらればの話になってしまいますが、今後の予想に、念のため、ご注意ください。