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サッカーにおける守備とは。久保建英に見てみたい守備をしないという選択

杉山茂樹スポーツライター
(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 先のパラグアイ戦後、森保監督はかなり回りくどい言い回しで、久保建英の守備について不満を口にした。

 そんなに言いたくないのなら口にしなければいいのにと思ったが、言いにくいことをあえて口にしたために、スムーズに話せなかったと解釈することもできる。どうしても言っておきたかったことだったのかもしれない。

 この試合、久保は後半の頭から堂安律に代わり4-2-3-1の3の右で途中出場した。このポジションの選手の守備とは、主に対峙する相手の左サイドバック(SB)にプレッシャーを掛けることを指す。相手が攻撃参加する場合は、一緒に下がって付いていく。 

 しかし一般論として、そこで「3の右」の選手が、絶対に守備をしなければならないかと言えばノーだ。世の中には守備をしないという選択肢もある。対峙する相手の左SBとの向き合い方は「する」か「しない」かの2通り。もちろん、その逆サイドについても同じことがいる。

 4-3-3のウイングになると、その傾向はさらに増す。SBが攻撃参加をしても、下がらずに高い位置に居続けるという選択の妥当性は上昇する。とは言っても、その8割以上は守備をする。この問題のポイントは100%ではないところ、絶対ではないところになる。中には「するな」と指示する監督もいる。実際にそうしたシーンを幾度となく見たことがある。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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