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アストロズに死角なし!? 無敗でリーグ優勝にリーチ。25打数0安打だった1番打者も二塁打を打つ

宇根夏樹ベースボール・ライター
J.アルトゥーベ/投手はG.コール、捕手はJ.トレビーノ Oct 22,2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ヒューストン・アストロズが、リーグ連覇にリーチをかけた。ディビジョン・シリーズに続き、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズもここまで3連勝。前年に続くワールドシリーズ進出まで、あと1勝としている。

 ディビジョン・シリーズの第1戦に、ジャスティン・バーランダーが4イニングで6点を取られた後、アストロズの投手たちは、バーランダーを含め、相手の打者を抑えている。各試合のスコアは、8対7、4対2、1対0、4対2、3対2、5対0だ。ポストシーズン最初の4イニングを除くと、59イニングで7失点、自責点5なので、このスパンの防御率は0.76となる。

 一方、得点はそう多くない。ディビジョン・シリーズの第2戦以降の5試合は、1試合平均3.4得点。ディビジョン・シリーズの第1戦を含めても、平均4.2得点だ。レギュラーシーズンの平均は4.5得点。後半戦の平均4.7得点と比べると、ポストシーズンの6試合は0.5点少ない。ただ、ここまでに5人がホームランを2本ずつ打ち、20打席以上の7人中3人は出塁率.380以上を記録している。

 さらに、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第3戦では、ポストシーズンに入ってからヒットが出ていなかったホゼ・アルトゥーベが、5回表に二塁打を打った。上の写真からわかるように、外角の投球に対し、バットを放り出すような格好でスウィングしているので、会心の一打かどうかには疑問も残るが、打球は右方向へ飛んでいき、バウンドしてからファウル・ポールの真下近くまで転がった。

 ちなみに、アルトゥーベの25打数ノーヒットは、1度のポストシーズンにおけるヒットレス・ストリークでは、10年前にロビンソン・カノーが記録した29打数ノーヒットに次ぐ。カノーの場合、アルトゥーベと違い、その年のポストシーズンの最初からではなかった。2安打目と3安打目の間が長かった。

 ヒットレス・ストリークには終止符を打ったものの、アルトゥーベがスランプを抜け出したと判断するのは、まだ早いだろう。二塁打を打った後の2打席は、遊撃ゴロと三振に終わった。ただ、アルトゥーベが打たなくても、アストロズは勝ち続けてきた。もし、アルトゥーベがここから打ち始めれば、アストロズは手をつけられなくなる可能性もある。

 リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第4戦は、ランス・マッカラーズJr.(アストロズ)とネスター・コーテズ(ニューヨーク・ヤンキース)が投げ合う。

 マッカラーズJr.の登板は、第3戦から第4戦に変更となった。その経緯については、第3戦の前に「アストロズがローテーションの順番を入れ替える理由。シリーズ2勝0敗の余裕!?」で書いた。コーテズは、ディビジョン・シリーズの第5戦に続き、負ければシリーズ敗退の試合で投げる。

 近年のアストロズについては、こちらで書いた。

「ゴミ缶を叩かなくてもアストロズは強い。ア・リーグ優勝は6年続けてアストロズかアストロズを倒したチーム」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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