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43%の得票率で民主主義を殺す方法

田中良紹ジャーナリスト

フーテン老人世直し録(65)

弥生某日

安倍政権は「憲法改正」と言いながら、「憲法改正」ではなく「憲法の骨抜き」をやろうとしている。これぞまさしくかつてヒトラーがワイマール憲法下で独裁権力を握った時の手法である。最も民主的と言われたワイマール憲法を変えることなく、ヒトラーは国民の圧倒的支持で独裁者になった。昨年夏の麻生副総理「ナチス」発言はそれを正直に吐露していた。

「国会探検」にも書いたが、民主主義は民主主義を殺す。ヒトラーの手法はそれを端的に物語っている。自分たちは民主主義社会の中にいて、複数政党制の下で普通選挙をやり、集会やデモの権利を認められ、言論の自由を謳歌していると思っていると、多数決によって民主主義は殺されるのである。

特定秘密保護法の採決を巡り、読売新聞の政治部次長が「民主主義は多数決だ」と論説を書くような国は、ほとんど民主主義は殺されかかっているのだが、しかし国民の多くはその事に気付いていない。フーテンはワイマール憲法下で何が起きたのかを繰り返し説明する必要を痛感している。

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ジャーナリスト

1969年TBS入社。ドキュメンタリー・ディレクターや放送記者としてロッキード事件、田中角栄、日米摩擦などを取材。90年 米国の政治専門テレビC-SPANの配給権を取得。日本に米議会情報を紹介しながら国会の映像公開を提案。98年CS放送で「国会TV」を開局。07年退職し現在はブログ執筆と政治塾を主宰■オンライン「田中塾」の次回日時:11月24日(日)午後3時から4時半まで。パソコンかスマホでご覧いただけます。世界と日本の政治の動きを講義し、皆様からの質問を受け付けます。参加ご希望の方は https://bit.ly/2WUhRgg までお申し込みください。

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