レゴランド大幅値下げ!その狙いと効果は?担当者に聞いた
レゴランド・ジャパン(名古屋市港区)の新料金パスポートが7月19日に発売されました。これまでも期間限定で割安となるキャンペーンは何度かありましたが、今回は恒常的なプランで、実質的な値下げといえます。昨年4月のオープン当初より、「料金が高い」という意見は多く、その声にいよいよ本格的に応えた格好です。
新パスポートの特徴は、利用可能日を「ピーク」「オフピーク」2種類に限定しての料金設定。「ピーク」はGWや夏休み、年末年始などを含む繁忙期で年間約120日。「オフピーク」はピーク以外の営業日で年間約160日。利用できる日にちは限定されますが、料金ベースでは9月2日までのキャンペーン期間中の場合、最大60%以上もの大胆な値下げも設定されています。
1DAYパスは最大35~37%オフ、年パスは何と最大約60%オフ!
どれくらいの値下げになったのか?1DAYパスポートの新旧料金を比較します。
〇こども 旧料金5300円→(新)ピーク日4500円→オフピーク日3700円→オフピーク7日前以上購入3300円(約37%オフ)
〇おとな 旧料金6900円→(新)ピーク日6900円→オフピーク日5000円→オフピーク7日前以上購入4500円(約35%オフ)
年間パスポートはプランによってさらに値引きが大胆。値引き率の大きいスターターの料金は下記の通り。何と従来の1DAYパスポート並の価格で年パスを購入できます。
〇こども 旧料金13300円→(新)スターター6500円→キャンペーン価格(9月2日まで)4500円(約66%オフ)
〇おとな 旧料金17300円→(新)スターター9900円→キャンペーン価格(9月2日まで)6900円(約60%オフ)
結局また分かりにくい…なんて声も聞こえてきそうですが、ようするに平日に休める人はオフピーク(1DAYパス)やスターター(年パス)、オン・オフはカレンダー通りという人はピーク(1DAYパス)かスタンダード(年パス)をチョイスし、早めに購入するとさらにお得、というわけです。価格が安くなっている分、入場できる日は限られるため、スケジュールを立てる際には注意が必要です(その他の価格プランもあり。詳細は巻末の料金表参照)。
レゴランド・ジャパンに聞く!新プラン導入の理由と展望
今回の大胆な新料金プランの導入にはどのような狙いがあるのか? そして集客&魅力度アップのための今後の取り組みは? レゴランド・ジャパン広報の平野由紀子さんにお聞きしました。
――実質的な値下げに踏み切った理由は?
レゴランド・ジャパン 平野さん(以下「レゴランド・ジャパン」)「開業当初から『値段が高い』というご意見はたくさんいただいていて、ここを改善しようという声は社内でも出ていました。これまでも期間限定のキャンペーンなどを様々打ち出していましたが、『どのタイミングでどのチケットを買えば一番安いのか分かりにくい』と混乱を招く要因にもなっていた。そこで、単に価格を下げるのではなく、『ピーク』『オフピーク』という2つのプランで入場可能な日にちを限定した上で、よりご購入しやすい新料金を設定しました」
――新料金では総じてこども料金の下げ幅が大きくなっています。
レゴランド・ジャパン「やはりキッズファーストが当施設のコンセプトですから、お子様がよりご来園いただきやすい価格としました。もちろん大人のお客様もオフピークのパスポートは特にかなりお得な価格になっています」
――オフピーク、スターターは割安ですがほぼ平日限定。地元在住者が主要ターゲットとなると考えられます。
レゴランド・ジャパン「まず地元の皆様に愛され、そこから日本中、さらには世界に愛されるパークでありたいと考え、2年目はあらためて地域の皆様にパークへ来ていただきたい。その思いを反映したプランといえます」
――値下げ自体は今後の集客に効果的と思いますが、既に年パスを購入したユーザーからは不公平感も出るのでは? かくいう我が家も、妻と子どもが少し前に年パスを更新したところです。
レゴランド・ジャパン「それについては申し訳なく思っています。確かに年パスを既にご購入されたお客様からはそういう声はいただいています。もちろん、従来の年パスと新・年パスは条件がかなり違うのですが、それでも単純に価格で比較すると差がありますから、今後、従来の年パスご購入者向けのイベント、キャンペーンを行うなど特典をご提案していく予定です。例えば、8月の平日はパーク内の対象レストランでのお食事が30%オフになるスペシャルイベントを実施します」
――開業から1年3カ月たち、客層や来場者の楽しみ方に変化はありますか?
レゴランド・ジャパン「4月にホテルが開業したことも要因となって、海外からのお客様が2倍に増えました。特に中国をはじめアジア圏からの方が多く、園内では新たに中国語のメニューや案内板を用意しました。また、スタッフの名前を憶えて交流を楽しんだり、リピーターが初めての方にアドバイスをしたりと、ファンの方たちの間で楽しみ方が広まっていると感じます」
――今夏はとりわけ猛暑で、暑さ対策が不可欠です。
レゴランド・ジャパン「パラソル、ベンチは昨年の10倍に増設しました。6月に新設したレゴ・シティ・ビーチ・パーティーは『暑い』というお客様の声に応えて作った水濡れアトラクションです」
――新パスポートを売り出したこの夏休みはまさに勝負の夏。新パスポートの売れ行きは?
レゴランド・ジャパン「売れ行きは好調で、『この価格なら年パスを買おうという気持ちになる』という声も届いています。ただし、具体的な数字は申し上げられません」
大胆な料金改定は巻き返しのための“究極のカード”!?
オープン以来、ネガティブな情報も少なくなかったレゴランド・ジャパンですが、その大半は料金の高さを問題視するものでした。訪れた人の満足度が高い割に、金額を理由に二の足を踏んでいた層からの批判的な声がクローズアップされ、そのためにさらに足が遠のいてしまうという悪循環にも陥っていました。今回の価格改定は、最も多かったクレームに対処する“究極の一手”といえます。そして、料金が高いと敬遠していた人たちにとっても、十分に検討に値する価格になったと思います。
そう考えると、より値下げ幅が大きい9月2日までのキャンペーン期間は、絶対に成果を上げるべき最重要の商機。この新料金をフックにしてどれだけお客の掘り起こしができるかがパークの未来を左右するといっても過言ではないのではないでしょうか。レゴランド・ジャパンは入場者のデータを公表しない方針のため、成果を数字で知ることはできませんが、筆者は今後も足を運んで動向に目を向けていきたいと思います。
レゴランド・ジャパン 新パスポート料金
【新1DAYパスポート 価格】
< こども > … 旧料金 5300円
〇ピーク 4500円(2日~6日前購入4200円、7日前~購入4000円)
〇オフピーク 3700円(2日~6日前購入3500円、7日前~購入3300円)
< おとな > … 旧料金 6900円
〇ピーク 6900円(2日~6日前購入6500円、7日前~購入6200円)
〇オフピーク 5000円(2日~6日前購入4700円、7日前~購入4500円)
【新年間パスポート 価格】
< こども > … 旧料金 13300円
〇スターター 6500円 〇スタンダード 10700円 〇プレミアム 16900円
< おとな > … 旧料金 17300円
〇スターター 9900円 〇スタンダード 16400円 〇プレミアム 21900円
【「年パス・デビュー!キャンペーン」期間中(9月2日まで) 新年間パスポート 価格】
< こども >
〇スターター 4500円 〇スタンダード 9900円 〇プレミアム 15500円
< おとな >
〇スターター 6900円 〇スタンダード 14700円 〇プレミアム 19900円
★スターター/レゴランド・ジャパンのみ、オフピークのみ(年間約160日入場可)
★スタンダード/レゴランド・ジャパン+シーライフ名古屋、GW・お盆期間前後、正月を除く営業日(年間約280日入場可)
★プレミアム/レゴランド・ジャパン+シーライフ名古屋+マダム・タッソー(東京)+レゴランド・ディスカバリー・センター(東京・大阪)、全日入場可(各施設の定休日除く)
□関連記事
「ネットの風評はウソ?ホント?レゴランドへ行ってみた」(2017年6月1日)
「レゴランド開業半年。『できる?』『できない?』12の要望をブツけてみた」(2017年9月30日)
(写真はすべて筆者撮影)