2016年も観測史上最も暑い年 今年は?
米航空宇宙局(NASA)と米海洋大気庁(NOAA)は、去年の世界の平均気温が、これまで最高だった2015年の記録を0.04℃上回って、史上最高となったと発表しました。
また、世界気象機関(WMO)も、去年の平均気温は産業革命以前と比べて1.2℃も上昇し、観測を開始した1880年以降、最も高い記録であったと報告しています。
大陸別で見てみると、北米は史上1番目、南米・アフリカは史上2番目、アジアとヨーロッパは史上3番目、そしてオセアニアは5番目に暑かったとのことです。
この原因としては、史上最大規模のエルニーニョと、温暖化ガスの排出の増加が挙げられています。
2016年を振り返る
振り返れば、去年は世界中で気温の記録が次々と塗り替えられた一年でした。
例えば、クウェートのミトリーバでは7月、アジアの史上最高気温となる54℃が観測され、5月にはインドのファロディで国内史上最高気温となる51℃が記録されました。去年インドは史上最も暑い一年だったのです。
一方海水温の上昇に伴い、強力な台風やハリケーンが多数発生しました。特に9月カリブ海に出現したハリケーン・マシューはハイチやキューバを直撃し、1000名以上が亡くなる大災害を引き起こしました。さらに史上初めて東北地方東岸に上陸した台風10号は、その後温帯低気圧となって北朝鮮に到達し、130名以上の死者を出しています。
また、アメリカ国立雪氷データセンターは、去年11月に北極海の海氷が史上最小になったと報告しました。またつい先日も、今年世界の海氷面積が史上最小を記録したと発表しています。
2017年の予想
では、2017年はどうなるのでしょうか。多くの専門家は、今年はエルニーニョが発生しないことから、4年連続で過去最高気温が更新されることはないと予想しています。
しかし、気温上昇は長期的なトレンドであり、過去に気温が最も高かった上位17年のうち、2000年代の年が16年も含まれています。去年2月早々、2016年が史上最も暑い年になることを予想していたNASAのギャバン・シュミット博士は、今年の世界気温も観測史上上位5位以内には入る可能性があると示唆しています。