カリブ海・ハイチにハリケーン上陸
南北アメリカ地域で最も貧しい国と言われるハイチに、国家史上最強クラスのハリケーン・マシューが上陸しました。予想される雨量は最大で1000ミリとなっており、壊滅的な被害が出る恐れがあると懸念されています。
マシューはハイチ史上最強クラスのハリケーン
現地時間火曜朝(日本時間火曜夜)、マシューはカテゴリー4の勢力(ハリケーンの階級で上から二番目に強い)で、ハイチ南西部を直撃しました。上陸時の中心気圧は934hPa、最大瞬間風速は77mでした。1954年に、マシューよりもやや弱いハリケーン・ヘーゼルがハイチに上陸しましたが、その際は400人が亡くなったとも伝えられています。
ハイチの現状
ハイチは災害に非常に弱い国です。その理由は、地形と過剰な森林伐採にあります。
もともと山がちな地形である上に、森林伐採により土地が荒廃しており、地滑りや洪水がさらに起こりやすくなっているのです。
1923年には国土の60%に森林がありましたが、2006年には2%ほどに減少しているとも言われています。こうした森林の減少は、1954年のハリケーン・ヘーゼルにより多くの木々が倒れたことも一因のようです。
下の写真は、ハイチと隣国のドミニカ共和国の境界付近の衛星画像ですが、右のドミニカの国土と比べて、ハイチに緑がないのが一目で分かります。
大震災の爪痕
ハイチは、2010年にマグニチュード7.0の大震災が発生し、20万人以上が死亡しています。ハリケーンの襲来は、震災で疲弊した国に、更なる打撃を加えているのです。
今後の動き
マシューは、勢力を保ったまま、キューバ東部に向かっています。現地時間火曜夜から水曜にかけて、バハマを通過し、金曜日にはアメリカ・フロリダ州に接近するもようです。