トルコとベトナムの食品の意外な共通点とは?
2018年8月、ベトナム・ハノイと、トルコ・イスタンブールへ渡航した。2つの国には意外な共通点があった。
それは、食品に、製造年月日が表記されていることである。
日本でも、かつては製造年月日が表記されていた。それが、今ではほとんどの加工食品には「消費期限」「賞味期限」の2種類の期限表示が印字され、製造年月日を示す食品はほとんどなくなってしまった。
ベトナムでは製造年月日と賞味期限が併記
ベトナム・ハノイのイオンで、ハウス食品のプリンミクスやシャービックが販売されており、まとめて購入してきた。賞味期限表示とともに、製造年月日が書かれていた。
期限表示だけでなく、製造日も表示されていることで、消費者は、「これは一年くらい賞味期間があるのだな」とわかり、「一日過ぎてもまあ大丈夫かな」と感覚的に理解できる。
トルコでも製造年月日と賞味期限が併記
トルコの加工食品に関しては、製造年月日と賞味期限が併記されているものと、一般消費者の目には賞味期限しかわからないものの両方があった。
トルコの飲み物、アイランには両方が併記されていた。アイランとは、ヨーグルトと水と塩が混ぜられた飲み物である。
パンに塗るスプレッドタイプの商品は、製造年月日と賞味期限の両方が併記されていた。
パスタや小麦粉なども両方表示されている。
コメに関しては、精米年かパックされた年なのかが「年」表示されており、賞味期限が年月日表示だった。
缶詰は、賞味期限のみが理解できた。もしかすると、記号に製造年月日が隠されているのかもしれない。
キッコーマンの醤油は、賞味期限が2021年。2018年に販売されていて、3年以上も賞味期間が残っている。
日本では「マイナス18度以下で保管するので劣化スピードが遅いから」という理由で賞味期限表示の省略が認められているアイスクリームにも、トルコでは表示があった。
トルコの代表的な料理、ハンバーグを俵型にしたような肉料理、キョフテの素も、クノールブランドで販売されていた。賞味期限表示のみがわかった。
トルコへ輸出する食品、18ヶ月以上賞味期間があれば「年」のみでOK
日本貿易振興機構、JETRO(ジェトロ)の公式サイトを見てみた。日本からトルコへ食品を輸出する場合、表示しなければならない項目の中には製造年月日があった。
賞味期限に関しては、賞味期間によって表示内容が異なる。
3ヶ月以上の賞味期間のものは賞味期限の年月表示だけでよい、というのは日本と共通だ。そして、18ヶ月以上のものは「年だけでよい」というのはイギリスと一緒である。
賞味期間が長い食品の賞味期限表示はアバウトでよい
賞味期間が長い食品の賞味期限表示を「年」のみにするのはよい取り組みだと思う。ただでさえ消費者は「期限表示」に惑わされ、鵜呑みにし、より新しい方がいいものだと思って、店の棚の奥から取り出そうとする。その結果、販売店には日付の迫ったものが残ってしまう。いくら食べても大丈夫といっても、賞味期限の手前にさらに「販売期限」があるから、それが切れたら、もう売ることはできない。
先進国では、資源活用を考えて、賞味期限表示をだいたいの目安にして、食品ロスを減らす努力をしている。日本も年月表示化で食品ロスを減らす取り組みが進んではいるが、さらにこの流れを進めていきたいし、ロスを減らすための改善策も望まれる。
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