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左ひじは伸ばすべきか 最先端のスイング解析器を使うゴルフコーチも言う、理想のテークバックの左腕の状態

野洲明ゴルフ活動家

プロゴルファーは左ひじが伸びている

プロゴルファーのスイングを見ていると、多くの選手のテークバックでは左ひじが伸びていることが分かる。一方、多くの一般ゴルファーは左ひじが曲がっている。プロのように伸ばそうとしてはいるものの曲がってしまう。

テークバックでは(右打ちの場合)クラブを右に動かすが、このとき頭や腰も右に動いてしまうと、左ひじが曲がりやすくなる。クラブが動く方向とは反対方向(左方向)に体を動かす力を適度に使うことで、頭や腰の位置が安定して左ひじが伸びやすくなる。

クラブと体のエネルギーが反対方向に働くことで腕が引っ張られて伸びる
クラブと体のエネルギーが反対方向に働くことで腕が引っ張られて伸びる

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左腕はリラックスしていたほうが良い

左ひじは伸びている状態がテークバックの基準とはなるが、つっぱるように無理に左ひじを伸ばす必要はない。自然と左ひじが伸びる、クラブや体の動かし方を探っていく必要がある。これは、東京オリンピック金メダリストで2020-2021シーズンの女子ツアー賞金女王である稲見萌寧を指導した奥嶋誠昭コーチも言っている。

奥嶋コーチはGEARS(ギアーズ)などの最先端のスイング解析システムを活用して一般ゴルファーの指導も行っており、自著の中で以下の通りに述べている。

プロの左腕は「真っす伸びきっているように見えても、伸びきっていない」人もたくさんいることをGEARSが明らかにしています。

「少しゆとりがある状態」でスイングしたほうが、飛距離も正確性もよくなるケースは多いのです。

引用:ザ・リアル・スイング 最適スイング習得編

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稲見萌寧選手のコーチ 奥嶋誠昭著「ザ・リアル・スイング 最適スイング習得編」(GOLFERS SUPPORT)

右腕の状態もあわせて考える

左ひじが伸びるテークバックを採用する場合でも、つっぱらないようにしたい。そのためには、右腕の状態もあわせて考えられると良い。

左ひじが曲がってしまうゴルファーの多くは、右ひじの曲がりが大きい。右ひじの内角が極力鋭角にならないようにすることで、左ひじの曲がりを抑えやすくなる。右ひじもつっぱらないように気を付けながら、アドレス時の右腕の長さを保つイメージでテークバックするのだ。

テークバックはとても重要。ダウンスイングへの切り返しや、インパクトからフォロースルーへの流れに大きく影響を与える局面だ。より良いものを習得して、飛距離や精度を向上させていきたい。

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ゴルフ活動家

スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとに、論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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