介護食には寒天よりもゼリーがおススメ
見た目は同じように見える「ゼリー」と「寒天」。どちらも、冷たくして食べると美味しく、これから温かくなる季節には、介護食のデザートなどでも登場する機会は増えてくると思います。同じようにみえても、介護食に向いているのはゼリーです。その理由は「口どけのよさ。なめらかさ」がゼリーの方が介護食には向いています。寒天は、どちらかと言うと「さっくりしていて、口の中でばらける」食感です。
見た目も同じでも、食べた時の食感が違うのはなぜでしょうか?その理由は材料にあります。
・ゼリーは、水、砂糖、「ゼラチン」を主原料に作られています。この「ゼラチン」は動物の皮や骨から作られています。主成分は、この皮や骨のたんぱく質です。「ゼラチン」は液体を固める作用があり、23度から30度で溶けるので、口の中に入れると溶けていきます。これがゼリーのなめらかさの理由です。口の中でもある程度水分がまとまった状態なので飲み込みやすいです。
・寒天は、水、砂糖「寒天」を主原料に作られています。「寒天」は「テングサ」「オゴノリ」などの海藻類を主原料としています。寒天は、沸騰している水の中で溶けて、冷却することで固まります。寒天は90度くらいで溶けます。また、固まる温度は40度くらいなので口の中に入れてもゼリーのようになめらかにはなりません。どちらかと言うと水分がさっくりとまとまった状態なので、寒天を食べた時に、小さいかけらが肺の方に入りやすいリスクはあります。ですが、寒天自体は「海藻」からできているので低カロリーで食物繊維も多いので気をつけて食べる分には問題ありません。
最近は寒天を使用していても、口の中でばらけないものもありますので、どちらが好みかで選ぶのもありだと思います。ですが、飲み込む力に少し不安を感じるようでしたら初めはゼリーから試して頂くことをおすすめします。
ゼリーも寒天も水分を多く含むので、これから暑くなりはじめる季節にはおすすめの食べものです。もちろん、介護する人、される人同じものが食べられるのも大きなポイントです。またある程度日持ちがするのでストックしておくのもおススメです。我が家のメンズは「みかんゼリーがいい!」というので数個を常にストックしています。ストックしてある事で「なにかない?」と言われたときに「ゼリーが冷えているよ」と言うとそれを食べていますので便利です。
※食べる方の「かむ力」「飲み込む力」には個人差があります。少しでも不安がある場合は、かかりつけの医師や歯科医、訪問看護さん、ケアマネージャーさんなど気軽にご相談してくださいね。