【二重人格?】言っていることがコロコロ変わる部下3つの特徴
「まるで二重人格だ」
建設業のある部長は、26歳の女性部下との関係に苦心していた。異動してきた直後は、とても意欲的だった。いつも部長に従順な態度を示していた。どんな面倒な仕事でも積極的に引き受け、こなしたのだった。
しかし、彼女は承認欲求が強すぎた。
「この仕事をやり遂げたのは誰でしょう? 私ですよね」
ことあるごとに、やたらと自己アピールをするのだった。
彼女は組織の問題に敏感で、いろんな問題提起と改善案を出してきた。その提案は的確で、「私がやります」と意欲も示してきた。
だが部長は、仕事を平等に分配したいという思いから、「君だけに任せられない」「他のメンバーもいる」などと彼女の申し出を断っていった。その結果、徐々に彼女との関係が悪化していったのだ。
やがて彼女は問題提起をしなくなり、指示にも従わなくなった。
「部長が私の意見を聞いてくれなかったんでしょ」
「だから私は私のやり方で仕事をします」
と主張するようになった。
部長はこの状況に頭を抱えている。彼女の熱意と能力を活かしたいが、その一貫性のない態度に対処する方法がわからず、苦慮している。なぜ、こうなったのか?
■言っていることがコロコロ変わる部下3つの特徴
職場で言うことがコロコロ変わる人は、よく目立つ存在だ。この人たちには次の3つの特徴がある。
(1)承認欲求が強く、感情の振れ幅が大きい
(2)調子がいいときと悪いときで態度が激変する
(3)周囲の人々に戸惑いや不信感を与える
一つ目の特徴は、人に認められたい気持ちが強く、感情の変化が激しいことだ。こういう人は、他の人から褒めてもらいたい、認めてもらいたいという思いが強い。それが行動や言葉に表れやすいのだ。
二つ目の特徴は、調子のいいときと悪いときで態度が急に変わることだ。調子がいいときは、自分の能力や意欲をどんどんアピールする。「何でも手伝います」「いつでも頼ってください」などと言い、上司や同僚に期待されたがる。会社の問題点を進んで指摘する。
一方、調子が悪くなると、まるで別人のように冷たく突き放すような態度になることがある。前は「何でも言ってください」と言っていたのに、「それは他の人の仕事です」などと言うようになる。
三つ目の特徴は、このような一貫しない言動が周りにネガティブな影響を与えることだ。急な態度の変化は、周りの人をびっくりさせ、戸惑わせる。
最初の印象が良かっただけに、態度が急に変わったときのショックは大きい。「どっちが本物だ?」「二面性がある」などと思われるだろう。
■実は本人も気付いている
「味方にすれば心強いが、敵に回したら厄介な人との正しい接し方、話し方」にも書いたが、言っていることがコロコロ変わる部下は、実のところ自分の問題に気づいていることが多い。感情をコントロールしたい、行動を改善したいという思いを持っているのだ。様々な職場で問題を起こしてきたことも自覚しているが、なかなか自制できないでいる。
上司はこのような部下の内なる葛藤を理解する必要があるだろう。他のメンバーとまったく同じように扱うのではなく、寄り添った対応をすべきなのだ。承認欲求の強さや感情の波を考慮しつつ、彼ら彼女らの長所を活かせるよう工夫することが大切だ。
適切な指導と理解があれば、こうした部下は大いに力を発揮し、組織に貢献できる可能性が高い。上司の役割は、このような部下の特性を受け入れつつ、より安定した行動を促すことなのだ。
<参考記事>