地震が起きたら「震度」が分かれば十分な話し!では、マグネチュードとの違いはなに?
先日ある集まりで、「防災士さん・・地震のときのマグネチュード5と震度4と、どう違うんや?」と聞かれて、即答できませんでした。
とりあえず、『マグネチュードは無視して、震度の数字を把握した方がいい』と答えましたが、その後30分ほど質問攻めに・・
確かに自分でも「違いは?」と聞かれて、明確な返答ができないのは勉強不足と感じ、説明できるように勉強しました。
が、これは比較して説明すると逆に「なんのこっちゃか分からん!!」と、いわれそうなので、今後もやっぱり「震度4以上になったら避難しないとダメかもね」と、震度に特化することにしました。
今回はその理由をお話しましょう。
マグネチュードとは地震の規模を表す数字
マグネチュードとは地震の規模を表す数字であり、数字が大きくなればなるほど地震規模も比例して大きくなることはお分かりでしょう。
地震の大きさとマグネチュードの関係は、次のようになります。因みに気象庁が発表するマグネチュードの表記は「Mj:Japan Meteorological Agency(日本気象庁)」です。
- 極微小地震=1Mj以下
- 微小地震=1~3Mj
- 小地震=3~5Mj
- 中地震=5~7Mj
- 大地震=7Mj以上
- 巨大地震=8Mjクラス
1995年(平成7年)1月17日に起きた阪神淡路大震災(兵庫県南部地震)のマグネチュードは7.3だったので「大地震」となり、2011年(平成23年)3月11日の東日本大震災では、マグネチュード9.0なので「巨大地震」であったことが分かります。
また、2016年(平成28年)4月14日に起きた、熊本地震のマグネチュードは6.5、その直後の4月16日の2回目の地震ではマグネチュード7.3を観測する「大地震」になっています。
マグネチュードが小さくても震源が近いとゆれは激しい
では、マグネチュードが小さければ地震被害はないのかといえば、そうではありません。震源におけるマグネチュードが小さくても、震源に近ければ大きなゆれとなるため被害も大きくなります。
逆に、マグネチュードが大きくても震源が遠ければ、ゆれが小さいため地震の被害がありません。
このことが、マグネチュードと震度との関係をややこしくしています。
マグネチュードが1増えると地震エネルギーは32倍に!
ただし、マグネチュードが1増えると地震エネルギーは32倍にもなります。
東日本大震災と阪神淡路大震災の地震規模を比較すると、東日本大震災の方が約1.7大きいため、地震のエネルギーは約54.4倍もの違いがあったことになります。
とはいっても、両方とも最大震度は7と同じであり、このことからも、地震時に注視するのはマグネチュードの大きさでなく「震度がどのくらいか?」だけでOKといえるのです。
現在、地震の震度は10段階ある
現在、気象庁の震度階級は上記の「震度とゆれの状況」にあるとおり、10段階になっています。
- 震度0・1・2・3・4
- 震度5弱・震度5強
- 震度6弱・震度6強
- 震度7
この内、最大震度が5弱以上または最大長周期地震動階級が3以上と予想された場合に、震度4以上または長周期地震動階級3以上が予想される地域を対象に緊急地震速報(警報)が発表されます。
この説明文を読んでも、意味がよく分からないかも知れませんね・・
先の「震度とゆれの状況」でいえば、大半の方が恐怖を覚えるほどのゆれが発生すると予想されたら緊急地震速報が発表されると、理解していれば問題ありません。
つまり、スマートフォンから緊急地震速報を感知してアラームが鳴ったら「とても危険な状況になる」と、覚えておきましょう。
重要なのは震度が分かればOK!マグネチュードは無視
今回は地震が起きた際の、マグネチュードと震度との違いはなに?を、お伝えしてきました。
最終的な結論として「震度がどのくらいか分かれば問題ない!」ということです!
マグネチュードの値は大きくても小さくても、一般にはあまり関係ありません。だって、緊急地震速報でさえ発表基準はマグネチュードの大きさでなく、震度5弱以上のゆれが予想された場合ですからね。
これで、少しでも疑問を持つ方が減ればいいな!と、思っています。