Yahoo!ニュース

【静岡/浜松】伝説的ソウルフード「いそやき」とは?

旅人間はらぺこライター

はらぺこライターの旅人間です。今回は静岡県浜松市の伝説的なソウルフード!と呼ばれている「いそやき」の食レポです。

いそやき…それは昭和の時代にお祭りの屋台で定番だった名物のこと。当時は屋台の中で一番の賑わいをみせていたという。その味を引き継ぐ店主にお会いした。

元祖いそやき

イオンタウン浜松葵から徒歩で約3分、その店は浜松市の住宅街の中に静かに営業している。店頭には「元祖 いそやき 復活」とある。

私は関西人なので浜松の事情にあまり詳しくないが「いそやき」といえば、一昔前は地元では誰もが知る名物だったそう。現在は、夫婦でその味を守っているそうだ。ところで”復活”書かれているが…これは?

店主にお話を聞くと、同店は奥さんと二人で13年ほど前に始めたそう。

それは奥さんの父親が昭和30年代に始めた「いそやき」の味を復活させたもの。継ぐ人がおらず途絶えていたが、当時の機材をそのまま使って復活させたという。

タコじゃなく「イカ」ですよ

入口には「タコ」のイラストが描かれている。改めて店主に聞いてみた。「中にはタコが入ってるんですか?」と。すると「中身はねイカと海苔がベースになってる」「細かい点は企業秘密だけどね」と答えが返って来た。

え?イカ??どう見てもタコだぞ…。これは一体…。

単なる描き方の問題?タコに見えて実はイカを描いているとか?いやいやハチマキ姿はタコしか考えられない。それに絵は上手い。

「タコじゃなくイカですか?」もう一度聞いてみたら、店主は「それ先代が書いたモノで何でタコなのか僕らも分からないんです」と苦笑い。

ただ、そのヒントは会話の中にあった。

それは「いそやき」の誕生秘話だ。昭和30年頃、先代がラジオで”たこ焼き”の話を聞き興味を持ち大阪まで足を運んだそう。新幹線はまだ走っておらず、電車を乗り継いで大阪まで行ったそうだ。

その当時は浜松で”たこ焼き”が食べられる店はなく、ネットも無い時代である。

そして、大阪のたこ焼きをヒントに自ら考案したのが”はまやき”だとか。この考案の原点となった”たこやき”の「タコ」がイラストに描かれているのだろうか。あくまで仮説である。

それにしてもややこしい…。店主も「誤解のもと」「ややこしい」と笑いながら話してくれたが、その人柄に心が癒される。

はまやきは1個100円。今回は3つ注文した。

持ち上げると、ズッシリ重い。名前の由来は「ハマグリの形」をしているからだというが、見て分かるだろうか?

例えば、下の写真で見ると…

箸の部分の三角形が「はまぐり形」をしている。それ以外の部分は…いわゆる切れ端というか、オマケというか、はみ出した部分だ。

この余分な切れ端的なトコロがパリパリとして甘みのある秘伝オリジナルのソースとの相性は抜群、本体の生地部分は厚みがあって、柔らかく磯の風味が口いっぱいに広がる。

たこ焼きでもない、お好み焼きでもない、これが浜松のコナモン「いそやき」か!こりゃ~スゴイ。メチャクチャ旨いじゃないか!私は大阪人だ。今まで数えきれないほど”コナモン”を食べきたがコレは衝撃的過ぎる。

最後に「この味は…いつまでも浜松に残るんですか?」と店主に聞いてみた。「もう年だから細々とやってる。跡継ぎはいるよ」と答えてくれた。いつまでも元気で頑張って欲しい。

<関連記事>
浜松市の”喫茶店モーニング”が想像以上に凄かった!

元祖いそやき
住所:静岡県浜松市中区高丘北2丁目41−8
電話番号:053-437-2409
営業時間:11:00~19:00
定休日:火曜
地図(外部リンク)

はらぺこライター

旅行好きのライター。各地に伝わる伝説や民話、古くから地元で大切にされているモノを親しみやすく紹介したい|地元で人気の食堂やレトロな喫茶店巡り|”思わずクスッと笑ってしまうような”珍スポット探し|目標は個性的でヘンテコな旅本の出版|フォローして頂けたら嬉しいです。

旅人間の最近の記事