Yahoo!ニュース

菅野智之は史上最年長の新人王となる可能性あり。歴代トップ10には佐々木主浩、イチロー、野茂英雄も

宇根夏樹ベースボール・ライター
菅野智之 MAR 14, 2017(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 今オフ、菅野智之は、読売ジャイアンツを退団し、ボルティモア・オリオールズに入団した。ESPNのジェフ・パッサンやジ・アスレティックのケン・ローゼンタールによると、契約は1年1300万ドルだという。

 オリオールズは、ローテーションの3番手あるいは4番手として期待しているのではないだろうか。オリオールズのローテーションについては、こちらで書いた。

「菅野智之が加わるオリオールズのローテーションには元・東京ヤクルトのスアレスも。エースは不在!?」

 菅野は、日本プロ野球で輝かしい実績を残していて、年齢も35歳ながら、メジャーリーグにおいてはルーキーだ。新人王を受賞することもあり得る。

 歴代の新人王のうち、受賞のシーズン年齢(6月30日時点)が30歳以上の選手は、1950年に33歳のサム・ジェスローと2000年に32歳の佐々木主浩しかいない。菅野の年齢は彼らより上なので、受賞すれば、史上最年長の新人王となる。

 ちなみに、2024年にメジャーデビューした最年長の選手は、33歳のブレイディ・ファイグルだ。8月26日にリリーバーとして1.2イニングを投げただけなので、来シーズンも新人王の資格を持っているが、今オフにピッツバーグ・パイレーツからFAになり、新たな球団は決まっていない。

 歴代の新人王を年齢順に並べると、トップ10には、メジャーリーグの前に日本プロ野球でプレーした3人、2000年の佐々木、2001年のイチロー、1995年の野茂英雄がランクインする。史上最年長の新人王であるジェスローは、ニグロリーグでプレーした。

筆者作成
筆者作成

 26歳の新人王は少なくないが、野茂の場合、そのなかでは最年長なので、10位タイではなく、単独10位という見方もできる。例えば、野茂は、1994年8月31日に26歳の誕生日を迎え、1995年に新人王を受賞した。一方、2024年の新人王、ルイス・ヒール(ニューヨーク・ヤンキース)は、2024年のシーズン年齢こそ1995年の野茂と同じ26歳だが、26歳となったのは2024年6月3日だ。

 一方、彼らとは対照的に、20歳未満のシーズン年齢で新人王を手にした選手もいる。その人数は、30代の新人王と同じく2人。2012年のブライス・ハーパー(当時ワシントン・ナショナルズ/現フィラデルフィア・フィリーズ)と、1984年のドワイト・グッデンがそうだ。どちらも、ルーキー・イヤーのシーズンが終わった後に、20歳の誕生日を迎えた。ハーパーは、19歳のまま、ポストシーズンの試合にも出場した。

 なお、菅野がそこに加わるであろう、35歳以上でメジャーデビューした日本人投手については、こちらで書いた。

「菅野智之は35歳のオールド・ルーキーとして活躍する!? 35歳以上でデビューした日本人投手は…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事