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菅野智之は35歳のオールド・ルーキーとして活躍する!? 35歳以上でデビューした日本人投手は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
髙橋尚成 June 6, 2010(写真:ロイター/アフロ)

 来シーズン、菅野智之(読売ジャイアンツ)は、メジャーリーグのマウンドに上がるかもしれない。ESPNのジェフ・パッサンが、そう報じている。

 菅野は、数日後に35歳の誕生日を迎える。2025年のシーズン年齢(6月30日時点)は、35歳だ。6月30日は、レギュラーシーズンのほぼ真ん中に当たる。

 メジャーリーグ1年目のシーズン年齢が35歳以上の日本人投手は、9人を数える。年齢の高い順に、2009年の高橋建が40歳、2007年の桑田真澄が39歳、2002年の小宮山悟、2005年の藪恵壹、2006年の斎藤隆が36歳、2011年の建山義紀、2004年の高津臣吾、2010年の髙橋尚成、2008年の薮田安彦は35歳だ。薮田以外の8人は、メジャーデビューの時点で35歳以上だった。

 この9人のうち、メジャーリーグで先発マウンドに上がったのは、2年目以降を含めても、髙橋尚成だけだ。

 髙橋尚成も、シーズンを通してローテーションに入っていたわけではない。2010年は、ブルペンで開幕を迎え、5月下旬から7月末までの14登板中12登板で先発投手として投げた後、再びブルペンに戻った。2011~13年の計115登板は、すべてリリーバーとして投げた。

 一方、メジャーリーグ何年目かを問わなければ、シーズン年齢35歳以上で規定投球回以上の日本人投手は4人いる。吉井理人が35歳の2000年(メジャーリーグ3年目)に167.1イニング、岩隈久志が35歳の2016年(5年目)に199.0イニング、黒田博樹が35~39歳の2010~14年(3年目以降)に5シーズン連続195イニング以上、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)は35歳の2022年(10年目)に194.2イニングを投げた。

 2000年の吉井は防御率5.86――ホームのクアーズ・フィールドだけでなく、アウェーの防御率も5.85以上――ながら、2016年の岩隈は防御率4.12、2022年のダルビッシュは防御率3.10を記録した。黒田は、2010~13年がいずれも防御率3.40未満。2014年を含めても、5シーズン続けて防御率3.75未満だ。

 なお、今シーズン、162イニング以上を投げた58人中、シーズン年齢35歳以上は6人。全体の10.3%(6/58)を占める。

 165.1イニングで防御率4.19のチャーリー・モートン(アトランタ・ブレーブス)が40歳、169.2イニングで防御率4.24のカイル・ギブソン(セントルイス・カーディナルス)が36歳、171.2イニングで防御率5.35のマイルズ・マイコラス(カーディナルス)、170.1イニングで防御率3.75のホゼ・キンターナ(ニューヨーク・メッツ)、171.0イニングで防御率4.16のクリス・バシット(トロント・ブルージェイズ)、177.2イニングで防御率2.38のクリス・セール(ブレーブス)は35歳だ。

 マイコラスは、8月下旬に36歳となった。セールは、防御率2.38に加え、225奪三振と18勝も、ナ・リーグ1位。FIP2.09も、最も低い。来月には、初のサイ・ヤング賞を手にしているはずだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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