2対2のトレードで獲得した左腕は先発5番手候補だが、これで来年と再来年のローテーションは万全に!?
12月22日、ナ・リーグ東地区の2チームがトレードを成立させた。2024年に地区優勝のフィラデルフィア・フィリーズは、先発投手のヘスス・ルザードと捕手&外野手のポール・マッキントッシュを獲得。地区最下位のマイアミ・マーリンズは。外野手のエマーリオン・ボイドと遊撃手のスターリン・カーバを手に入れた。
このトレードで移籍した選手のうち、ルザード以外の3人は、まだメジャーデビューしていない。
フィリーズは、2024年に150イニング以上を投げ、防御率3.60未満を記録した投手を4人擁する。ザック・ウィーラーが200.0イニングで防御率2.57、アーロン・ノラが199.1イニングで防御率3.57、クリストファー・サンチェスが181.2イニングで防御率3.32、レンジャー・スアレスは150.2イニングで防御率3.46だ。
ルザードの立場は、彼らに次ぐローテーションの5番手といったところだろう。
2024年のフィリーズで5番目にイニングが多かったタイワン・ウォーカーは、83.2イニングで防御率7.10だった。夏に2ヵ月近く離脱し、シーズン終盤にローテーションから外された。ルザードは、腰を痛めて6月半ばにシーズンを終え、66.2イニングで防御率5.00ながら、その前の2023年は178.2イニングで防御率3.58を記録している。奪三振率も、2023年は10.48と高かった。2025年のシーズン年齢(6月30日時点)は27歳だ。
ウォーカーは、ロング・リリーバーとして起用される可能性が高く、開幕までにトレードで放出される可能性もある。
また、来シーズンは、ウィーラーが3年1億2600万ドル(2025~27年)の契約1年目、ノラが7年1億7200万ドル(2024~30年)の契約2年目、サンチェスは4年2250万ドル(2025~28年)の契約1年目だ。スアレスは、来オフにFAとなる。ルザードとウォーカーは、2026年のオフにFA。ウォーカーは、来シーズンが4年7200万ドル(2023~26年)の契約3年目だ。
フィリーズには、トップ・プロスペクトのアンドルー・ペインターがいる。2021年のドラフトで全体13位指名を受けたペインターは、2022年にAとA+とAAで計103.2イニングを投げ、奪三振率13.46と与四球率2.17、防御率1.56を記録した。2023年の春に右肘を痛めて夏にトミー・ジョン手術を受け、ここ2シーズンは全休ながら、今秋のアリゾナ・フォール・リーグで復帰している。
今後2シーズンのローテーションに並ぶ5人は、順序はさておき、2025年がウィーラー、ノラ、サンチェス、スアレス、ルザード(あるいはウォーカー)、2026年はウィーラー、ノラ、サンチェス、ルザード(あるいはウォーカー)、ペインター、というシナリオを描くことができる。