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ドジャース以外にテオスカーを欲しがっているのはどこなのか。メッツとヤンキースは外野手を手に入れ…

宇根夏樹ベースボール・ライター
テオスカー・ヘルナンデス Mar 31, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ニューヨーク・ヤンキースからFAになったホアン・ソトは、15年7億6500万ドル(2025~39年)の契約でニューヨーク・メッツに入団した。ボストン・レッドソックスからFAになったタイラー・オニールは、ボルティモア・オリオールズと3年4950万ドル(2025~27年)の契約を交わした。

 一方、彼らと同じスラッガーの外野手、テオスカー・ヘルナンデスは、まだFAのままだ。ロサンゼルス・ドジャースは、テオスカーを呼び戻そうとしているらしいが、契約の合意には達していない。ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールは、ドジャースがテオスカー以外の選択肢も検討、と報じている。

 ドジャースが提示している契約とテオスカーが望んでいる契約には、何らかの隔たりがあるようだ。それに加え、ドジャース以外にも、テオスカーを欲しがっている球団が存在するのだろう。そうでなければ、もっと早く交渉は決着しているはずだ。

 メッツとオリオールズは、外野の両コーナーとも埋まったように見える。それぞれのレフトとライトは、ブランドン・ニモとソト、オニールとコルトン・カウザーだ。

 ヤンキースは、シカゴ・カブスから獲得したコディ・ベリンジャーをセンターに据え、両隣にジェイソン・ドミンゲスアーロン・ジャッジを配しそうだ。カブスも、ベリンジャーを放出する前に、ヒューストン・アストロズからカイル・タッカーを手に入れている。こちらは、左から、イアン・ハップピート・クロウ-アームストロング、タッカーの3人が外野に並ぶ。

 フィラデルフィア・フィリーズも、ミネソタ・ツインズからマックス・ケプラーを獲得し、テオスカーを追いかける可能性は低くなった。ケプラーとニック・カステヤノスの2人が、外野の両コーナーに位置する。

 それでもまだ、テオスカーを欲している球団は、いくつかありそうだ。その筆頭は、ボストン・レッドソックスだろう。

 現時点では、ジャレン・デュランセイダーン・ラファエラウィリアー・アブレイユの外野トリオが有力だが、レッドソックスは、退団したオニールに代わる右のスラッガーを加えたいはず。2024年のホームランは、オニールが31本、テオスカーは33本だ。デュランとアブレイユの2人だけでなく、レッドソックスには左打者が多い。

 また、レッドソックスは、昨オフもテオスカーを手に入れようとしていた。この夏、テオスカーは、ポッドキャストの「ベースボール・イズント・ボアリング(ベースボールは退屈じゃない)」の取材に対し、昨オフにレッドソックスから2年2800万ドルの契約を申し出られた、と語った。

 ソトを逃したトロント・ブルージェイズも、テオスカーかアンソニー・サンタンデアを欲しがっているに違いない。ライトにはジョージ・スプリンガーがいるが、レフトは確定していない。サンタンデアは、オリオールズで44本のホームランを打ち、今オフのFA市場に出ている。スイッチ・ヒッターなので、この点ではレッドソックスのニーズにも合うものの、守備に難がある。

 テオスカーは、2017年の夏から2022年のシーズンが終わるまで、ブルージェイズでプレーした。トレードでアストロズからブルージェイズに移ってブレイクし、再びトレードでブルージェイズからシアトル・マリナーズへ移籍した。ちなみに、最初のトレードは、フランシスコ・リリアーノの交換要員として、青木宣親とともに動いた。

 他にも、カンザスシティ・ロイヤルズなど、レフトかライトを守るスラッガーを求めていそうな球団はある。ただ、MLB.comのマーク・フェインサンドが報じているように、テオスカーの希望が年俸2200~2400万ドルの3年契約だとすると、必ずしもそのとおりの契約になるとは限らないものの、ドジャース、レッドソックス、ブルージェイズの3球団以外にとっては、ハードルが高すぎる気がする。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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