4年続けて出塁率.355以上の一塁手もトレードで移籍。ここ3日に5人の一塁手が新天地へ
12月22日、ワシントン・ナショナルズは、リリーバーのロバート・ガルシアをテキサス・レンジャーズに放出し、交換に一塁手のナサニエル・ロウを獲得した。
2人とも、2025年のシーズン年齢(6月30日時点)は29歳だ。
ガルシアは、2023年にメジャーデビューし、2024年は72登板で59.2イニングを投げ、奪三振率11.31と与四球率2.41、防御率4.22を記録した。ロウは、メジャーリーグ6年目を終えたところだ。ここ4シーズンとも規定打席に到達し、出塁率はいずれも.355以上。.357→.358→.360→.361と推移している。ホームランは、18本→27本→17本→16本だ。2023年はゴールドグラブを受賞した。
前々日から、一塁手の動きが相次いでいる。クリスチャン・ウォーカー(アリゾナ・ダイヤモンドバックス→FA→ヒューストン・アストロズ)、ポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カーディナルス→FA→ニューヨーク・ヤンキース)、ジョシュ・ネイラー(クリーブランド・ガーディアンズ→トレード→ダイヤモンドバックス)、カルロス・サンタナ(ミネソタ・ツインズ→FA→ガーディアンズ)に、ロウ(レンジャーズ→トレード→ナショナルズ)。正式な発表前も含め、3日間に5人だ。
ウォーカーからサンタナまでの4人については、こちらで書いた。
◆「一塁手の「移籍ドミノ」が起きる。2日間に4人の一塁手が新天地へ。彼らの通算本塁打は計917本」
2024年のナショナルズでは、6人が一塁の守備についた。ジョーイ・ギャロが477.2イニング、ジョーイ・メネセスが431.2イニング、ホアン・イェペスが398.1イニング、あとの3人は計126.1イニングだ。6人が一塁手として記録した打撃スタッツの合計は、出塁率.310とOPS.686がナ・リーグのワースト5位に位置し、14本塁打はサンフランシスコ・ジャイアンツと並び、ナ・リーグだけでなく両リーグでも2番目に少なかった。
先月、ナショナルズは、ギャロの相互オプション――年俸800万ドル(解約金250万ドル)――を破棄し、メネセスをDFAとした。FAになることを選択したメネセスは、ニューヨーク・メッツとマイナーリーグ契約を交わした。
一方、レンジャーズがロウを手放したのは、もったいない気もする。こちらは、年俸が大きな理由ではないだろうか。今オフも調停の申請権を持っているので、2025年の年俸は、2024年の750万ドルから上昇し、1000万ドルを超える可能性もある。
レンジャーズは、今月中旬にマイアミ・マーリンズから獲得したジェイク・バーガーを、DHではなく一塁手として起用するつもりなのかもしれない。ロウと違い、バーガーの出塁率は低いが、パワーはロウを凌ぐ(「若手3人と交換に獲得したスラッガーは、ここ2年の本塁打が15位タイだが、出塁率はワースト15位」)。
また、FAになるのは、ロウが2026年のオフ、ロウと交換に得たガルシアは2029年のオフだ。それまでに保有できる期間は、2シーズン(2025~26年)と5シーズン(2025~29年)なので、倍以上の違いがある。