1500円もする朝ラーメンも 静岡県で朝ラーが始まった理由は「お茶」にあった?
宿泊経験500泊。関東圏の穴場ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな!です。
藤枝市だけでない朝ラーメン
朝ラーメンと言えば、静岡県藤枝市。現在は、焼津市、島田市などにも広がっているようです。
東京から新幹線で名古屋方面へ向かうと、静岡と浜松の中間に大井川が流れています。その大井川の流域に、藤枝市、焼津市、島田市は位置します。
今回は島田市のラーメン ル・デッサン(Le Dessin)を訪ねました。
お店の横幅を利用したエントランスが印象的。行列ができた時も、日陰で待つことができます。
お店は朝7時からお昼ごろまでの営業です。
ラーメン ル・デッサン(Le Dessin)
JR六合駅から徒歩15分
定休日 毎週月・金(祝日時も含む)及び第3日曜
営業時間 7:00から品切れまで(土日祝日は11時半~12時半が終了目安、平日は13時前後が終了目安のようです。ただし日によって変動があります)
「岩手ほろほろ鳥 だし しょうゆ」は1500円!
地元の方に勧められた、「岩手ほろほろ鳥 だし しょうゆ」(1500円)を注文。
ほろほろ鳥のスープは初体験でしたが、非常に濃く、少し癖がありジビエ風。濃厚で、長く印象に残る味です。
フランス料理では、高級食材として「食鳥の女王」の別名もあるようです(店主は、フランス料理歴30年)。
スープの切れ味は、水の良さも背景にありそう。お店自体は、大井川水系の浄水場の供給エリアかと思います(実際にお店が使用している水は未確認)。
麺はストレートの細麺で、かみ応えしっかり。筆者は堅めの麵が好みのため、ぴったりでした。
入店前は1500円は高いかと思いましたが、ほろほろ鳥の料理は、日本では一部のフランス料理店でしか提供しておらず、希少価値は十分でした。
メニューは、温かいラーメンの場合、だしが5種類(お店公式サイト)。
中華そばを除き、それぞれ醤油・塩・味噌のバージョンがあるため、メニューは14種類(おおむね1400円前後)。このほかに朝ラー特有の冷やしラーメンなどもあります。
これだけのメニューを提供するため、シェフやスタッフは大忙し。逆に言えば、スタッフの数はギリギリと言え、高い原価に最低限の人件費を足した、良心的な価格と感じました。
なぜ静岡県中部で朝ラーメンが始まったの?
さて、静岡県中部の大井川沿いにある藤枝市、焼津市、島田市などで、なぜ朝にラーメンを提供する習慣が始まったのでしょう?
ヒントは茶畑にあります。
写真は大井川の上流にある、大井川鐵道(鉄道)の奥大井湖上駅。
大井川は水量が多く、下流では川幅が大きく広がります。
江戸時代は、この東側に駿府城があったため、防衛のため橋や渡し舟はご法度。人が担いで渡ることになっていました。
明治時代になると、渡し船が始まり、1000人以上もいた川越人足は失業します。窮地を救ったのが茶畑の開拓(牧之原台地)。用水は、大井川からくみ上げられました。
お茶の取引の仕事は朝が多く、朝ラーメンの提供が始まったと考えられています(藤枝市による)。
このように、大井川の流れが、巡り巡って茶畑や朝ラーメンを生んだと言えるのです。
大井川の川越人足やお茶については、ブラタモリが詳しく紹介しています。
【ブラタモリ大井川 全ロケ地】タモリさんが奥大井湖上駅へ#225(とらべるじゃーな)