バルサがビッグマッチで勝つために必要なこと。有効な「ダウンスリー」と「セット」の考え方。
勝つために手段を選ばない、というオプションはない。
バルセロナが、苦しい状況に追い込まれている。リーガエスパニョーラでは、クラシコでレアル・マドリーに敗れて首位から陥落。チャンピオンズリーグにおいては、バイエルン・ミュンヘンやインテルといったビッグクラブに競り負け、グループ敗退の危機に瀕している。
そのような状況で迎えたリーガ第10節、バルセロナは本拠地カンプ・ノウでビジャレアルに3−0と快勝した。クラシコで敗れた後、勝利を取り戻した。
無論、これはポジティブな出来事である。ただ、まだ課題は残されている。ビッグマッチで勝つためにーー、バルサに必要なことを考察する。
■組み合わせとセット
ビジャレアル戦では、アンス・ファティ、ロベルト・レヴァンドフスキ、フェラン・トーレスの3トップが先発でピッチに立った。また、アンカーにはセルヒオ・ブスケッツではなくフレンキー・デ・ヨングが入った。
ビジャレアルは今季のリーガで、バルセロナ戦を迎えるまで3失点しか喫していなかった。ウナイ・エメリ監督の率いるチームは強固な守備を自慢とするチームだ。【4−4−2】の3ラインを敷き、全体をコンパクトにして、相手に自由と与えない。
まず、重要だったのはデ・ヨングの役割だ。アンカーのデ・ヨングが、ダウンスリーで2人のCBの間に落ちる。これにより、「アンカー+2CB」が可能になり、ビジャレアルの2トップに対して数的優位が保たれた。
デ・ヨングが最終ラインでボールを引き取る。「3vs2」の状況を生かして、ドリブルで間を割る。中盤侵入に成功すれば、次は中盤で数的優位ができる。
ビジャレアルが【4−4−1−1】といった布陣にチェンジして、アンカー潰しをしていたら、シチュエーションは変わっていただろう。だがそのような修正は施されず、2トップシステムが維持された。
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