「惑星キラー」の巨大小惑星が朝5時に地球近傍を通過、衝突していたら恐竜絶滅級の大災害になっていた?
欧州宇宙機関(ESA)によると、6/28(金)朝5時に巨大小惑星が地球へ最接近しました。本記事では、惑星キラーと呼ばれた小惑星とは一体どんな天体なのか、そして恐竜を絶滅させた過去に起きた隕石落下についても解説していきます。
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■6/28(金)朝5時に巨大小惑星が地球近傍を通過
本日6/28(金)の朝、小惑星「2011 UL21」が地球から650万km付近を時速数千kmのスピードで通過しました。これは、地球と月の距離の17倍に相当する近さです。
そして、この小惑星は「惑星キラー」と呼ばれています。理由はその大きさにあります。2011 UL21は直径が2310mにも及び、まるで山のような巨大な天体です。近年で地球近傍を通過した天体の中でも最大クラスであるとのことです。もし地球に落下していたら大規模な被害を招き、地球の気候さえ変動させてしまう危険性を持っていたとのことです。
今回、この惑星キラーが地球に衝突する危険性はなかったとのことで一安心ですね。しかし、実は過去にはこの小惑星よりも大きな天体が地球に衝突した事例があったのです。
■恐竜を絶滅させたチクシュルーブ隕石
6600万年前、恐竜や巨大な昆虫が生息している地球に、直径10kmを超える巨大隕石が時速6.4万kmという恐るべき速さで衝突しました。
この隕石は広島に投下された原爆の10億倍を超える規模の爆発を起こし、地球ではマグニチュード11を超える地震が発生したと言われています。生じた津波の高さは300メートルを超え、メキシコ・ユカタン半島には、直径約160kmのクレーターが形成されました。
巻き上げられた大量の塵によって太陽からの光が遮断され、地球には長い冬が訪れました。植物は枯れ果て食料は尽き、恐竜はほぼ絶滅、80%の生物が絶滅してしまいました。しかし、それまで恐竜に怯えていた小さな哺乳類、つまり私たちの祖先は、大災害の中で有利に生存し進化することができたのです。
それでは、このような地球に衝突する危険性のある小惑星は果たして何個存在するのでしょうか。
■2万5000個の小惑星が地球にとって脅威に!?
地球の近傍を回っている大きさが140m以上の小天体で、地球に衝突し重大な災害を生じる可能性がある天体はなんと25,000個が存在すると推定されています。NASAは2016年に地球防衛調整局を新設し、小惑星の検出と脅威評価およびその対策の検討に当たっています。
地球に接近する軌道を描く小惑星は「地球接近天体」と呼ばれていて、そのなかでも特に衝突の危険性が高いものは「潜在的に危険な小惑星」に分類されており、将来の衝突リスクを評価するために追跡観測が行われています。
もし小惑星の衝突が地球に迫っているとしたら、あなたはどう行動しますか?
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