ロジカルシンキングとラテラルシンキングを同時に学び、思考をパワフルにする3事例と6つのフレームワーク
思考のパワーが素晴らしい結果を生む。
ビジネスパーソンなら誰もが理解しているだろう。とくに「ロジカルシンキング」は、そうした思考力を身につけるために有効だ。
いっぽうで、これからの時代は「ラテラルシンキング」が重要になってくる。ロジカルシンキングとは一見正反対のように受け止められがちだが、両者を組み合わせて使うことで、その効果は飛躍的に上がる。
「前提・推論・結論」の流れで問題解決を進めるロジカルシンキングに対し、ラテラルシンキングは前提そのものを疑う。
いわば視点を変えて考え、新たな解決の糸口を探る思考法だ。これら二つは、まるでパズルのピースのように、一つ一つが違っていても、組み合わせることでよりパワフルになるのだ。
今回のコラムでは、この二つの思考法をどのように理解し、どう活用すべきかを詳しい例を交え、わかりやすく解説する。
ロジカルシンキングとラテラルシンキングがどのように結びつき、どのようにシナジーを生むのかを共に見ていただきたい。そうすることで、思考は一層パワフルなものになるだろう。
ロジカルシンキングとラテラルシンキングを同時に学べる3つの事例、そしてラテラルシンキングを鍛える6つのフレームワークも紹介する。
●SCAMPER法(スキャンパー法)
●シックスハット思考法
●ランダム入力法
●属性リスト法
●リバースシンキング(逆転思考)
●ラテラルベンチマーキング
ぜひ、最後まで読んでいただきたい。
■ロジカルシンキングを超カンタンに説明する!
ビジネスの現場で脚光を浴びるのはロジカルシンキング(垂直思考)だ。
たとえば、新商品の売上目標設定や、生産効率の改善策など、データに基づいて論理的に問題解決するスキルは、何よりも重要とされている。企業の多くは、この思考法を身につけるための研修を提供しているだろう。
しかし現代の社会は混沌とし、予測不可能な時代となった。新型ウィルスの影響や戦争、災害、AIにDX……。
既存の答えが通用しない課題が山積みだ。この状況を乗り越えるには、新たな視点から物事を捉え、創造的な解決策を生み出すラテラルシンキングが不可欠である。
しかし、企業でラテラルシンキングの研修を行っているところは、まだまだ少ない。だからこそ、このコラムを通じてラテラルシンキングを学んでほしいのである。
それでは、まずは「ロジカルシンキング」について深堀りしていこう。これがあなたのビジネスにどのような影響を与えるか、一緒に見ていこう。
ロジカルシンキングとは、その名の通り「論理的に考えるスキル」だ。「前提」「推論」「結論」という順序で考えていくことを指す。
まず、現状や問題の「前提」を明らかにし、それに基づいて「推論」を行い、「結論」へと導いていく。この流れが一本筋が通っているからこそ、ロジカルシンキングは説得力を持つ。
たとえば営業パーソンが、新商品を売れないという問題を抱えていたとしよう。この問題を解決するために、
まず「前提」として、既存の商品と異なり、新商品のよさは理解されづらいものだ、と考えたとする。
次に、その「前提」に基づいて、だからこそ既存の商品よりも丁寧に説明することでお客様の理解を促せるだろう、と「推論」する。
最後に「結論」だ。口頭で説明するのではなく、丁寧に作られた資料を使って新商品をお客様に説明すべきだ、と「結論」づける。
まとめると、
・前提:新商品のよさは理解されづらい
・推論:丁寧に説明することでお客様の理解を促せる
・結論:丁寧に作られた資料を使って新商品を説明すべき
こうなる。
一本筋が通っているように読めるはずだ。このように、ロジカルシンキングを使って考えると、は明確な説得力を生むのである。
この「前提」「推論」「結論」の流れは、後で説明する「ラテラルシンキング」と対比する際に、極めて重要なポイントだ。
しっかりと覚えておこう。
■ラテラルシンキングは、ここが凄い!
それでは、新たな視点から問題を捉える「ラテラルシンキング」、別名「水平思考」について、具体的な事例とともに解説していこう。
今、私たちは過去のやり方や考え方が通じない時代に立っている。「昔はこうだったから」という思考が通用しない。むしろ、そんな思考は障害となり、真の解決策を見逃してしまうことすらある。
それでは、具体的な事例を挙げてみよう。
たとえば、あなたが45歳で、現在の職場に不満を感じているとする。いっぽう「45歳で転職するには遅すぎる」という前提に縛られている。この「前提」は、過去の経験や常識に基づいているだろう。
この前提だと「同じ業界内でしか転職先はないだろう」と推論し、だからこそ「45歳から転職をするのは難しい」と結論づけてしまうかもしれない。
しかし、ラテラルシンキングを用いれば、「45歳で転職するのはむしろ早い」と前提を見直せるのだ。
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