【あおり運転】一斉取り締まりスタート! 違反しないための重要ポイントは?
■ヘリコプターとの連携であおり運転を摘発
全国の警察は、2018年6月1日から7日まで、高速道路上での「あおり運転」に対する一斉取り締まりを行うと発表しました。
覆面パトカーだけでなく、地域によってはヘリコプターも導入されるとのことです。
このニュースについては、各メディアが一斉に報じていますが、「時事通信社」(2018.6.1)の記事より一部抜粋させていただきます。
あおり運転は昨年6月、神奈川県の東名高速道路で夫婦2人が死亡した事故をきっかけに注目された。警察庁は今年1月、道交法以外にも刑法の暴行罪などあらゆる法令を駆使して捜査を徹底するよう通達を出した。通達では、あおり運転やその後のトラブルで傷害や車の損壊などを起こした場合は、違反による累積点数に関係なく、道交法の危険性帯有者として免許停止(30~180日)の行政処分をするよう指示している。
東名高速道路などでは、すでにヘリコプターによる取り締まりも行われています。これは、上空から航空隊のヘリが監視して、明らかな違反を見つけた場合は地上の高速隊に通報し、覆面パトカーが追跡するという連携プレーです。
ヘリから撮影した「あおり運転」の実際の動画はネットでもアップされていますが、警察としてはこうした取り締まりをアピールすることで、「あおり運転」の抑止効果を期待しているようです。
●あおり運転、上空から監視 新東名、ヘリ使い取り締まり(朝日新聞デジタル)2018年3月30日10時05分
https://www.asahi.com/articles/ASL3Z2VPXL3ZUTIL002.html
■あおり運転は刑法の「暴行罪」に該当することも
ところで、「あおり運転」とは、そもそもどんな行為のことを指し、どんな違反になるのでしょうか?
あらためて問われると、すぐに答えられないという人も多いのではないでしょうか。
警察庁のWEBサイトには、次のように書かれています。
●『危険!あおり運転等はやめましょう』より抜粋
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/aori.html
いわゆる「あおり運転」等は、重大な交通事故につながる悪質・危険な行為です。また、車間距離保持義務違反、進路変更禁止違反、急ブレーキ禁止違反等の道路交通法違反のほか、危険運転致死傷罪(妨害目的運転)や刑法の暴行罪に該当することがあります。
「あおり運転」とみなされる行為とその違反は以下の通りです。
昨年末、私も以下の記事を書きましたが、警察庁は、車を使って暴行事件を起こすなどした運転者に対しては、交通違反点数の累積がなくても最長180日間の免許停止ができるよう、全国の警察に指示しています。
相手を威嚇するような危険な行為は、絶対にやめましょう!
●国が悪質ドライバー対策に積極姿勢。あおり運転に「暴行罪」適用も(2017/12/26配信)
https://news.yahoo.co.jp/byline/yanagiharamika/20171226-00079763/
■あおり運転を誘発する「通行帯違反」をしていませんか?
さて、「危険なあおり運転をしてはいけない」というのはもちろん大前提なのですが、「あおり運転に近い行為をしばしばしてしまう」というドライバーの言い分に耳を傾けると、なるほど……、と思うこともあります。
そこで、「あおり運転」を誘発する側の「違反行為」についても少し考えてみたいと思います。
私もバイクや車の運転が大好きなので、自戒を込めて書きたいと思うのですが、高速道路を走行中、追い越し車線をずーっと走り続けている車の後ろについて「イラッ」としたこと、ありませんか?
そういう車がいたら、気づいてもらうために、ちょっと(?)車間を詰めてみたり。パッシングしてみたり。
で、結局、そのまま気づかず追い越し車線を占領された場合は、違反と知りつつ左側から追い抜いてしまう……。
そんな体験をしたこと、ありませんか?
ここでまず問題なのは、追い越し車線を占領したまま、延々と走り続けるドライバーの走り方です。
実はこれ、はっきり言って、道路交通法違反なのです。
道路交通法では、片側2車線以上の道路における車線のことを、『車両通行帯』と呼んでいます。片側2車線以上の高速道路では、一番右側の車線は追越車線、その名の通り、追い越しをするための車線なので、その目的が終わったら速やかに元の車線に戻らなければなりません。
つまり、追い越しもしないのに、追い越し車線をそのまま走り続けることは、『通行帯違反』というれっきとした道路交通法違反なのです。
違反点数は1点で、反則金は6,000円。もちろん、制限速度を守っていても、関係ありません。
この違反は、おおよそ2キロ以上走り続けるとアウトだそうで、実際に高速道路上で『通行帯違反』の違反切符を切られる人は、スピード違反やシートベルト未着用などに次いで多いのです。
もちろん、追い越し車線をしばらく走らざるを得ない場面もあるでしょう。
当たり前のことですが、「追い越しをするとき」「緊急自動車に道を譲るとき」「道路状況などの都合でやむを得ないとき」は、追い越し車線を走り続けても違反にはなりませんので安心してください。
後続車に車間を詰められたり、クラクションを鳴らされたり、左側から追い抜かれたり……、そんな経験をしたことがある方は、自分自身が走るシケイン(障害物)になっていないかどうか、今一度、自分に問いかけてみてください。
意外にも、アナタ自身が、先に無自覚の違反行為を犯して、「あおり運転」を誘発しているかもしれません。