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19年ラグビーW杯の組分け抽選会、来年5月に日本で開催。日本は世界ランクを上げないと「死の組」入り?

斉藤健仁スポーツライター
2015年W杯の抽選会はロンドンのテート・モダンで開催された(写真:Action Images/アフロ)

5 月 11 日(水)にアイルランド・ダブリンにて行われた、ラグビーの国際統括組織「ワールドラグビー(旧IRB)」の理事会において、2019年に日本で開催されるラグビーワールドカップのプール組分け抽選会が 2017 年 5 月に日本で開催されることが決定した。

◇組分け抽選会は2017年5月に日本で開催

プール組分け抽選会とは……ラグビーワールドカップ本大会の決勝トーナメントに進むためのリーグ戦を行うプールを決定する抽選会。今回もワールドラグビーランキングをもとにシード分けされ、抽選が行われ、4つにプールに分けられる。

2019年ワールドカップには、日本を含めて2015年のラグビーワールドカップで各プール上位 3 チーム、計 12 チームが出場を決めている。

アルゼンチン、オーストラリア、イングランド、フランス、ジョージア、アイルランド、イタリア、日本、ニュージーランド、スコットランド、南アフリカ、ウェールズ

(アルファベット順)

上記 12 チームのほか、残り8 チームの本大会出場を決める予選大会はすでに始まっており、80 チーム以上が日本への切符を争っている。

※8チームの内訳:ヨーロッパ地区予選(1枠)、オセアニア地区予選(2枠)、ヨーロッパ・オセアニアプレーオフ予選(1枠)、アメリカ地区予選(2枠)、アフリカ地区予選(1枠)、世界最終予選(1枠)

ワールドラグビー 会長 ベルナール・ラパセ

「プール組分け抽選会はラグビーワールドカップにとって非常に重要なマイルストーンであり、また大会に向けて期待や盛り上げを作っていく重要な機会です。すでに 12 チームが出場を決めていますが、革新的な大会の舞台となるであろう日本で、どのプールに入るか、選手そしてファンの興味が尽きないところだと思います。また、抽選会がこれまでの大会に比べ、より大会に近いタイミングで行われます。これにより効果的なチケットプログラムの運営ができるようになります」

ラグビーワールドカップ 2019 組織委員会 事務総長 嶋津昭

「ラグビーワールドカップ 2019開催に向けての、大きなステップであるプール組分け抽選会が日本で行われることが決まり、身の引き締まる思いです。大会の 2 年半前に日本からラグビーワールドカップ 2019の情報を発信することにより、世界中のみなさんに 2019 年を待ち望んでいただけるような抽選会にしたいと考えています。また、抽選会を通して日本のみなさんにもラグビーワールドカップ 2019を広く知って頂き、アジアで初となる世界的なスポーツの祭典を心待ちにして頂きたいと思います」

過去の大会の組み合わせ抽選会はダブリンや、2015年大会はロンドンのテート・モダンで行われた。日本はどこで行われるのか楽しみだ(スカリツリー、東京タワー、両国国技館、武道館などが予想されるが、果たして……)。

◇なぜ世界ランキングを上げないといけないのか?

来年、5月の世界ランキングを基にして、現在出場が決まっている12チームを1~4位、5位~8位、9位以下のバンドに分けて、さらに残りの8枠を2つのバンドに振り分ける。そして5つのバンドから1チームずつを抽選し、5チーム×4つのプールが決定する。

現在(5月9日)の世界ランキングを下にすると、下記のようになろう。

Band 1: ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、イングランド(1位〜4位)

Band 2: ウェールズ、アルゼンチン、アイルランド、フランス(5位〜8位)

Band 3: スコットランド(9位)、日本(10位)、ジョージア(12位)、イタリア(14位)

Band 4: オセアニア予選1位、ヨーロッパ予選1位、アメリカ予選1位、オセアニア予選2位

Band 5: アフリカ予選1位、オセアニア・ヨーロッパプレーオフ勝者、アメリカ予選2位、世界最終予選優勝

※Band4~5の振り分けは予想

つまり、日本は現在の10位という順位のままだとニュージーランドとアルゼンチン、イングランドとアイルランド、南アフリカとフランスなどと同組になってしまう可能性があるというわけだ。

そのため、現在10位の日本は、来年の5月までに世界ランキングを挙げて8位以内=Band 2に入りたいところだ。もし8位以内に入っていると強豪国は、例えばオーストラリアだけで、他は格下のみとの対戦になる場合もあろう。

日本がより決勝トーナメント進出の可能性を高めるためには、今年のテストマッチで連勝していかないといけない、というわけだ。※ただし、2015年大会はフィジー、サモア、トンガが出場権を獲得できなかったため、アイランダー3カ国中2カ国と同じ組になる可能性もある。

いずれにせよ、なるべく勝利を重ねて、世界ランキングを上げなければならない。もし、8位以内に入らなければ、2015年大会のイングランドのように「死の組」に入ってしまうかもしれない……。

◇今後のラグビー日本代表の日程

※決定済みのみ

5月21日(土) 日本 vs 韓国(@韓国・仁川)

5月28日(土) 日本 vs 香港(@東京・秩父宮ラグビー場)

6月11日(土) 日本 vs カナダ (@カナダ・バンクーバー)

6月18日(土) 日本 vs スコットランド(@愛知・豊田スタジアム)

6月25日(土) 日本 vs スコットランド(@東京・味の素スタジアム)

11月19日(土) 日本 vs ウェールズ(@ウェールズ・カーディフ)

スポーツライター

ラグビーとサッカーを中心に新聞、雑誌、Web等で執筆。大学(西洋史学専攻)卒業後、印刷会社を経てスポーツライターに。サッカーは「ピッチ外」、ラグビーは「ピッチ内」を中心に取材(エディージャパン全57試合を現地取材)。「高校生スポーツ」「Rugby Japan 365」の記者も務める。「ラグビー『観戦力』が高まる」「ラグビーは頭脳が9割」「高校ラグビーは頭脳が9割」「日本ラグビーの戦術・システムを教えましょう」(4冊とも東邦出版)「世界のサッカー愛称のひみつ」(光文社)「世界最強のGK論」(出版芸術社)など著書多数。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。1975年生まれ。

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