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オールブラックスが北半球ツアーに参加する36名発表! バレット3兄弟、ペレナラ、ケインらが選出

斉藤健仁スポーツライター
「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」でハカを披露する「オールブラックス」(写真:REX/アフロ)

 10月7日、ニュージーランドラグビー協会は10月26日に横浜で日本代表と対戦する「リポビタンDチャレンジカップ」と、その後の北半球ツアーに参加する「オールブラックス」ことニュージーランド代表36名(FW20名、BK16名)を発表した。

 まず、世界ランキング3位のオールブラックスの秋の北半球ツアーの日程は下記の通りだ。

 10月17日に日本に向けて出発し、10月26日にラグビー日本代表(世界ランキング14位)と横浜で対戦する。そして渡欧して、11月はイングランド代表(同4位)、アイルランド代表(同1位)、フランス代表(同5位)、イタリア代表(同8位)とシックスネーションズに参戦している欧州強豪4ヵ国と激突する。

◇オールブラックス(ABs)の秋の試合日程

10月26日(土) ABs対日本代表@横浜・日産スタジアム

11月3日(日) ABs対イングランド代表@ロンドン・トゥイッケナム

11月9日(土) ABs対アイルランド代表@ダブリン・アビバスタジアム

11月17日(日) ABs対フランス代表@パリ スタッド・ドゥ・フランス

11月24日(日) ABs対イタリア代表@トリノ・アリアンツスタジアム

◇「適切なバランスを実現する」メンバー

 今年、オールブラックスの指揮官に就任したスコット・ロバートソンHC(ヘッドコーチ)は

このノーザン・ツアーはエキサイティングなチャレンジであり、私たちのゲームを進化させ続け、熾烈な競争相手にチャンスを生み出すラグビースタイルを構築することができる。私たちは、一貫性と継続性をもたらすと同時に、北半球のチームとの対戦で貴重な経験を積んだチームの中で、新しい才能に成長するチャンスを与えるという、適切なバランスを実現できるようなメンバーを選びました

と話した。

 8月から9月にかけて行われて、3勝3敗で2位に終わった「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」のメンバーから1名だけ入れ替え、21歳のSHノア・ホサムに代わり23歳のSHキャム・ロイガードがケガから復帰しメンバーに名を連ねた。

 「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」からリーダー陣は変わらず、キャプテンはLOスコット・バレット、副キャプテンは、昨季は日本の神戸でプレーしたNO8アーディー・サヴェア、ケガが心配されたCTBジョーディー・バレットの3人となった。

 昨シーズンから日本の東京サンゴリアスでプレーし、100キャップを達成したFLサム・ケイン、このツアー終了後は日本のブラックラムズ東京に加わるSHのTJペレナラ、また昨シーズンは日本のトヨタヴェルブリッツでプレーしたSOボーデン・バレット、かつて東京サンゴリアスに所属したSOダミアン・マッケンジーらもメンバー入りした。

◇選手の一部は2日早くイングランドに渡る

 ただ、オールブラックス36名の発表とともに公式HPには気になる文言があった。

下記の36名の選手に加えて、11月に欧州でマンスターとジョージア代表と対戦するオールブラックスXVのスコッドからも数人の選手がオールブラックスに帯同し来日して、オールブラックスの環境を経験する

オールブラックスの選手の一部は、イングランド代表戦にテストマッチの準備に集中するため、2日早くイングランドに移動する

 つまりオールブラックスの主力やコンディションが良くない選手の一部は、移動の疲れや時差も考慮して10月25日にはイングランドに向けて出発し、イングランド代表戦に備えるということだ。

◇日本にとって過去の対戦成績は0勝7敗。歴史的初白星なるか

 つまり、10月26日の対日本代表では、2018年11月の対戦(31-68)のときように、オールブラックスは「スパイン(spine)」とも呼ばれる2番、8番、9番、10番、15番といった中軸となるポジションには経験豊富な選手を起用しつつ、若手も積極的に起用することが予想される。

 ただ10月26日の試合は日本代表もオールブラックスもともにキャップ認定するテストマッチである。日本代表にとって過去の対戦成績0勝7敗とオールブラックスから1勝も挙げることはできていないが、2022年に対戦したときは31-38と惜敗しているだけに、前回の対戦同様に競った流れにもっていき勝つチャンスを掴みたい。

 なおオールブラックス戦や秋のツアーに参加する日本代表のメンバーは10月10日に発表される。

◇オールブラックススコッド36名(10月7日時点)

(名前、年齢、所属、キャップ数)

FW 20人

フッカー(Hookers)

アサフォ・アウムナ (27歳/ハリケーンズ、15)

コーディー・テイラー (33 歳/クルセイダーズ 93)

ジョージ・ベル (22歳/クルセイダーズ、1)

プロップ(Props)

イーサン・デグルート (26 歳/ハイランダーズ、28)

ティレル・ロマックス (28 歳/ハリケーンズ、40)

フレッチャー・ニューウェル (24 歳/クルセイダーズ、20)

パシリオ・トシ (26歳/ハリケーンズ、3)

オファ・トゥンガファシ (32 歳/ブルーズ、 63)

タマイティ・ウィリアムズ (24 歳/クルセイダーズ、14)

ロック(Locks)

スコット・バレット (30 歳/クルセイダーズ、76)※主将

トゥポウ・ヴァアイ (24 歳/ チーフス、34)

パトリック・トゥイプロトゥ (31 歳/ブルーズ、46)

サム・ダリー (24 歳/ブルーズ、5)

FL&NO8(Loose forwards)

イーサン・ブラックアダー (29 歳/クルセイダーズ、15)

サム・ケイン (32 歳/チーフス、100)

サミペニ・フィナウ(25歳/チーフス、4)

ルーク・ジェイコブソン (27 歳/チーフス、24)

ダルトン・パパリィ (26 歳/ブルーズ、36)

アーディー・サヴェア (30 歳/モアナ・パシフィカ、90)※副将

ウォレス・シティティ (22歳 /チーフス 、5)

BK16人

スクラムハーフ(Halfbacks)

キャム・ロイガード (23 歳/ハリケーンズ 5)

TJペレナラ (32 歳/ハリケーンズ、87)

コルテス・ラティマ (23 歳/チーフス、8)

スタンドオフ(First five-eighths)

ボーデン・バレット (33 歳/ブルーズ、 131)

ダミアン・マッケンジー (29 歳/チーフス、56)

センター(Mid-fielders)

ジョーディー・バレット (27歳/ハリケーンズ、65)※副将

デーヴィッド・ハヴィリ (29歳/クルセイダーズ、28)

リーコ・イオアネ (27歳/ブルーズ、77)

アントン・レイナートブラウン (29歳/チーフス 、79)

ビリー・プロクター (25 歳/ハリケーンズ、1)

ウイング&フルバック(Outside backs)

ケイレヴ・クラーク (25歳/ブルーズ、25)

ウィル・ジョーダン (26 歳/クルセイダーズ、37)

ルーベン・ラヴ (23歳/ハリケーンズ、0)

スティーヴン・ペロフェタ (27歳/ブルーズ、5)

セヴ・リース (27歳/クルセイダーズ、30)

マーク・テレア (27歳/ブルーズ、15)

スポーツライター

ラグビーとサッカーを中心に新聞、雑誌、Web等で執筆。大学(西洋史学専攻)卒業後、印刷会社を経てスポーツライターに。サッカーは「ピッチ外」、ラグビーは「ピッチ内」を中心に取材(エディージャパン全57試合を現地取材)。「高校生スポーツ」「Rugby Japan 365」の記者も務める。「ラグビー『観戦力』が高まる」「ラグビーは頭脳が9割」「高校ラグビーは頭脳が9割」「日本ラグビーの戦術・システムを教えましょう」(4冊とも東邦出版)「世界のサッカー愛称のひみつ」(光文社)「世界最強のGK論」(出版芸術社)など著書多数。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。1975年生まれ。

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