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児童手当拡充、初回支給は2024年12月!? 受給額が最も増えるのは誰?

豊田眞弓永続家計アドバイザー/FP/大学非常勤講師
(写真:イメージマート)

「遅い」と言われ続けている児童手当拡充の初回給付。2025年2月の予定だったものが、2024年中に支払われることになりそうです。改正で最も受給額が増えるのは誰か?についても考えてみましょう。

■現状の児童手当

現状の児童手当は、中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している、一定所得以下の世帯に支給されています。支給されるタイミングは、毎年2月、6月、10月で、その前月までの4か月分が振り込まれます。

支給額は、3歳未満が月15,000円、3歳以上小学生までが月10,000円(第3子以降は15,000円)、中学生では一律月10,000円となっています。

一定以上の高所得者世帯では、児童手当の特例給付(月5,000円)が支給されていましたが、これは、児童手当法の改正で、2022年10月支給分から支給が廃止されました。

(内閣府の資料を参照し、筆者作成)
(内閣府の資料を参照し、筆者作成)

※高校卒業まで(18歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の養育している

児童のうち、3番目以降をいう。

※所得制限を超える場合は支給なし。

■2024年10月から児童手当はこうなる(予定)

2024年10月から、児童手当が拡充されます。変更されるとされている点は下記の通りです。

・所得制限が廃止され全員が対象に

・高校卒業まで支給される

・第3子以降は30,000円支給

(公明党サイトの資料を参照し、筆者作成)
(公明党サイトの資料を参照し、筆者作成)

※高校卒業まで(18歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の養育している

児童のうち、3番目以降をいう。

■初回支給が2025年2月→2024年12月へ

過日、児童手当の拡充分の初回支給が2024年12月になると報道されました。当初案では、初回支給は2025年2月で、2024年10月から2025年1月の4か月分が支給される予定でした。それが、2か月前倒しになるということです。

実際には、支給頻度を年3回から年6回に変更することによるものですが、増額分の支給開始が遅いとの批判を意識しての変更でもあるようです。

<児童手当の支給タイミング>

現状: 2月、6月、10月に、前月までの4か月分が支給される。

      ↓

変更案:2月、4月、6月、8月、10月、12月に、前月までの2か月分が支給される。

児童手当の支給を急ぐとともに、ひとり親世帯に毎月手当が出るようにする配慮でもあるようです。児童扶養手当が奇数月に支給されているため、児童手当が偶数月に支給されるようになれば、毎月、手当が受け取れるようになり、家計管理がしやすくなります。

<ひとり親の手当支給タイミング>

・児童扶養手当:1月、3月、5月、7月、9月、11月

※偶数月に児童手当が支給されるようになれば、毎月手当が支給されます。

■児童手当拡充で最も受給額が増えるのは?

児童手当拡充では、これまで受給できた層では、第1子、第2子は高校時代に受け取る1万円×36か月分の増額となります。2024年10月以降に子どもが誕生し、児童手当の制度が変わらなかった場合(以下同条件)、累計額は、誕生月によっても異なりますが、200万円前後→236万円前後(+36万円)となります。

同じく、これまでの制度で受給できた層のうち、子だくさんの世帯では、第3子以降が月3万円に拡大するため増額になります。ただし、「18歳の誕生日後の最初の3月31日までの養育している児童のうち、3番目以降」ですので、3人きょうだいだった場合、第1子が高校を卒業した(18歳の誕生日後の最初の3月31日を経過した)段階で、月10,000円(第3子が3歳未満なら月15,000円)に下がります。累計額は、誕生月やほかのきょうだいとの学年差によっても異なりますが、第3子以降は第1子と2、3歳違いの例で、260万円前後→600万円前後(+約340万円)となりそうです。

所得制限により、これまで受け取れなかった高所得層の世帯も受け取れるようになります。0円からの増額となることから、増額分は大きくなります。第1子、第2子では、誕生月によっても異なりますが、0円→236万円前後(+約236万円)の増加、第3子以降では、誕生月やほかのきょうだいとの学年差によっても異なりますが、第1子と2、3歳違いの例で、0円→600万円前後(+約600万円)の増加となります。

つまり、最も受給額が増えるのは、高所得層の第3子以降ということになりそうです。

■高校時代の所得控除による差分も

しかも、16~19歳未満の扶養控除(38万円)に変更がなければ、所得控除は税率の高い高所得層ほど有利になることから、さらに、所得控除の差分も残ります。

<扶養控除38万円×3年間の試算例>

所得税率5%→57,000円

所得税率10%→114,000円

所得税率23%→262,200円

所得税率33%→376,200円

所得税率33%と5%の差は、+319,200円。児童手当も所得控除もと、ダブルでメリットがあるのが、高所得層といえそうです。

16~19歳未満の扶養控除はどうなるのか? 今後の行方が気になります。

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永続家計アドバイザー/FP/大学非常勤講師

<生涯永続できる家計の実現を!> マネー誌・女性誌等のライター・コラムニストを経て、独立系FPへ。講演・研修、コラム執筆や監修、個人相談などを業務としている。ライフワークとして、子どもから大人の方まで幅広く金融経済教育に携わっている。亜細亜大学ほかで非常勤講師、子どもマネー総合研究会理事を務める。趣味は講談、投資、猫に添い寝。

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