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驚くほど知識が手に入る読書勉強法――「水平読書」徹底解説(約7000字)

横山信弘経営コラムニスト
(ChatGPT DALL-E 3 にて筆者作成)

■なぜ社会人が勉強するうえで読書が最強なのか?

私は「読書」以上に効率的な勉強法はない、と思っている。自分のペースでノウハウや知識を手に入れられるからだ。

もちろん研修などの「集合型の教育」でもいい。強制力が高いこともあり、効率的に知識を吸収できる。機会があればドンドン参加するといい。

ただ、私は15年以上、年間100回ペースで研修の講師をしてきた。その経験を通じて思うことは、勉強する意志が高いなら、

「研修の優先順位は下げたほうがいい」

である。

社会人は学生と違って時間がない。興味がありそうなセミナーや研修があっても「タイミング」が合わずに勉強の機会を逸してしまうことはよくある。次の機会に参加しようとは思うものの、その機会はよほどのことがない限り訪れない。

必ず覚えておいてほしいことがある。社会人が勉強するうえで大事なのは「タイミング」だ、ということを。

仕事しているとき、ふと

「この知識を身に付けておきたい」

「このノウハウを手に入れたい」

と思い立つことがあるだろう。そのタイミングですぐさま勉強できること。それが最も大事なことなのだ。

湧き上がった熱量は、しばらくすると冷めるもの。だから勉強するタイミングを逸してはならない。言い換えれば、タイミングさえ逃さなければ、社会人の総勉強時間は十分に増やすことはできる。

さて、今回は読書を通じて効果効率的に勉強する方法――「水平読書」について解説する。私が長年、本を使って勉強するときに実践している読書法である。

あまり勉強習慣がない30~40代の会社員は、大きな気付きを得られること間違いない。ぜひ最後まで読んでいただきたい。

<目次>

■なぜ社会人が勉強するうえで読書が最強なのか?

■「水平読書」3つの特徴

(1)多視点からの情報収集

(2)知識の平均値の理解

(3)体系的な知識習得

■正しい「水平読書」のやり方 4つの手順

■「水平読書」用の本の選び方

■本を並べて「目次」を記憶する

■一冊の本を超えて点と点を繋いでいく

■さらに「水平読書」する本3~4追加する理由

■自己投資に「不安最小化」の精神はNG

■勉強も「美点凝視」の精神が重要だ

■「水平読書」3つの特徴

「水平読書」について解説する前に、まずはその目的について整理しておこう。

そもそも読書には、いろんな目的がある。単に読書習慣を身につけたいから読む人もいるし、流行っている本だから話のネタが欲しいので読む人もいる。

だが、今回ご紹介する「水平読書」の目的は、明らかにそれらとは異なる。テクニックやノウハウを真剣に身につけたいときに使う読書法だ。

この「水平読書」を覚えたら、もう自己流の読書術には戻れなくなるだろう。知識は身につかないし、何より時間がかかるからだ。

それでは、さっそく「水平読書」について簡単に解説していく。

「水平読書」とは、同じテーマの本を5~10冊ほど複数並べ、そのテーマの箇所だけ抜き取って読んでいく読書法である。

「5~10冊」と知ると「ギョッ」とする人もいるかもしれない。しかし最新の知識やノウハウでなければ、数年前に出版された本でも問題はない。中古で買えば、そんなに大金を使わなくてもいいはず。

1冊500円程度(送料込み)で手に入るのなら、5冊で2500円。10冊で5000円である。研修に参加するよりも、はるかに安いし、本は資産化するのだから割り切って「大人買い」してもらいたい。

次に「水平読書」の3つの特徴について紹介しよう。3つの特徴とは、

(1)多視点からの情報収集

(2)知識の平均値の理解

(3)体系的な知識習得

この3つである。一つ一つ解説していく。

(1)多視点からの情報収集

まず最初に覚えてほしいのが「多視点からの情報収集」だ。勉強するにしても、まずどの角度で勉強したらいいか、わからないケースが多い。

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経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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