■侮れない「直感力」

ペットボトルに入ったミネラルウォーターを見せられ、

「これがいくらか、わかりますか?」

と質問されたら、あなたはどう答えるか。500mlのサイズであれば、

「130円」

「140円」

「105円」

……など、だいたいこれぐらいの金額を言うのではないか。間違っても「6千円」「45万円」などと答える人はいないはずだ。

いっぽう、同サイズの容器に、聞いたこともないような病気が治る塗り薬が入っていたとしよう。それを見せられ、

「これがいくらか、わかりますか?」

と質問されたら、あなたはどう答えるか。

瞬時に答えられる人もいるだろうが、多くの人は「見当もつかない」と受け止めるのではないか。そして、

「8千円」

「5万円」

「20万円」

……と、当てずっぽうに答える人が大半だろう。

ミネラルウォーターを見せられても、聞いたこともない病気を治す塗り薬が入った容器を見せられても、値段を答えるのに使ったのは「直感」である。しかし同じく直感を使っても、前者のほうが正解率が高くなり、後者のほうは正解率が低くなる。

それはなぜなのか?

今回は、直感力と仮説検証について深く掘り下げていく。営業の世界では「KKD(経験・勘・度胸)」は長らく批判の的であったが、本当にそうなのか。デジタルの時代になっても、実はこの「KKD」が重要であり、ベテランの直感がいかに正しいかを脳科学的にも解説する。

ぜひ最後まで読んでもらいたい。

■なぜベテランの言い分は正しいのか?