Yahoo!ニュース

衣類害虫カツオブシムシがわが家でまた発生。タンスの中のお気に入りのセーターは大丈夫?

天野和利時事通信社・昆虫記者
ヒメジョオンの花の上によくいるヒメマルカツオブシムシの成虫。

 (ちょっと気持ち悪い幼虫の写真が出てくるので、苦手な人は先に進まないように)。大切にしまってあったウール、カシミア、絹などの服を虫に食われてしまったという経験を持っている人は、結構多い。節約家の昆虫記者は、虫食い穴の開いた服でも、被害が目立たないうちは着ていて、「みっともないからやめて」と妻にののしられているが、オシャレな人なら、そんな服はもう着られない。

 そんな衣類害虫の一つが、またわが家で発生した。ヒメカツオブシムシだ。カツオブシが好物なのでカツオブシムシの名を持つが、一般家庭ではウール製品の被害が顕著だ。

 ご近所で良く見かけるのは、このヒメカツオブシムシとヒメマルカツオブシムシ。成虫は衣類ではなく、花の花粉や蜜が好きだと言われている。

ヒメカツオブシムシの幼虫を手のひらに載せてみた。お尻に長い毛が生えていて、かなり不気味な姿だ。
ヒメカツオブシムシの幼虫を手のひらに載せてみた。お尻に長い毛が生えていて、かなり不気味な姿だ。

ヒメカツオブシムシの幼虫。こんなのをタンスの中で見つけたら即刻駆除を。
ヒメカツオブシムシの幼虫。こんなのをタンスの中で見つけたら即刻駆除を。

ヒメカツオブシムシの蛹。
ヒメカツオブシムシの蛹。

ヒメカツオブシムシの成虫はこんなに小さいので、見逃しがち。
ヒメカツオブシムシの成虫はこんなに小さいので、見逃しがち。

 春から夏にかけて、まだら模様のヒメマルカツオブシムシが、ハルジオン、ヒメジョオンなどの花の黄色い部分にとまっている姿は、かなりかわいい。しかし、このかわいい成虫が衣類に卵を産み付けると、大変なことになる。

 衣類に甚大な被害をもたらすのは、やつらの幼虫だ。そして、幼虫の姿は全然かわいくない。ヒメカツオブシムシの幼虫は、お尻に長い毛が生えていてかなり不気味だ。

 家の中で、カツオブシムシの仲間の成虫を見つけたら、タンスの中の衣類に卵が産み付けられ、幼虫が発生している可能性が高いので、すぐに防虫剤などで対策を講じた方がいい。

 昆虫記者は家で見つけた幼虫を、妻には内緒で飼育しているが、普通の人はそんな無謀な行為はしない方が身のためだ。

ヒメマルカツオブシムシの成虫は結構かわいいが、家の中で見つけたら要注意。
ヒメマルカツオブシムシの成虫は結構かわいいが、家の中で見つけたら要注意。

 わが家では以前、貯穀害虫のシバンムシ(小麦粉などのほか畳も食べるという)の仲間がかなりの数発生したこともある。もちろんシバンムシは、妻に見つからないうちに始末したので、姿を消した(と思う)。

 今度シバンムシを見つけたら、まだ見たことがない幼虫の姿を確認するため、妻にばれないように飼育してみたいと思っている。

(写真は特記しない限りすべて筆者=昆虫記者=撮影)

時事通信社・昆虫記者

天野和利(あまのかずとし)。時事通信社ロンドン特派員、シンガポール特派員、外国経済部部長を経て現在は国際メディアサービス班シニアエディター、昆虫記者。加盟紙向けの昆虫関連記事を執筆するとともに、時事ドットコムで「昆虫記者のなるほど探訪」を連載中。著書に「昆虫記者のなるほど探訪」(時事通信社)。ブログ、ツイッターでも昆虫情報を発信。

天野和利の最近の記事