iPhone 14「買取価格」が急騰。日本での価格は安すぎる?
9月16日に発売された新型iPhoneの買取価格がさっそく高騰しており、話題になっています。発売直後にプレミアがつくのは毎年恒例とはいえ、今年は「人気の偏り」と「円安」が拍車をかけているようです。
日本のiPhone 14は海外よりも安い
毎年、新型iPhoneの発売直後には一時的に在庫切れとなり、買取価格にプレミアがつくのはよくある現象です。
新型iPhoneの中でも、「iPhone 14」の買取価格はアップルストア価格からプラスマイナス3000円程度におさまっています。
一方、「iPhone 14 Pro」シリーズの買取価格は高騰しており、アップル直販価格を大きく上回る状態になっています。
都内に店舗を構える買取業者の中には、iPhone 14 Pro Maxの256GB版に「22万5000円」や「22万8000円」(いずれもSIMフリー版で新品未開封の場合)を提示しているところがありました。
このモデルのアップル直販価格は税込17万9800円なので、最大で4万8200円も高く買い取ってくれる計算になります。
追記:
この記事を公開後も買取価格は上がり続けており、9月20日時点で24万円台となっています。
なぜこんなことになっているのか、考えられる原因は「人気の偏り」と「円安」です。
今年のiPhoneは「Pro」シリーズが大きく差別化されています。発売直後に手に入れたい人たちはこうした差別化を好むので、Proシリーズに人気が集中しています。
いま日本でiPhone 14を注文すると数日で届くのに対し、iPhone 14 Proは4〜6週間待つ必要があるなど、Proシリーズは極端に入手困難になっています。
2点目として、為替相場で円安・ドル高が進んでいることから、日本でのiPhoneの価格が相対的に割安になっているとの指摘があります。
昨年に比べて大幅に値上がりしたiPhone 14ですが、アップルが価格を決定したと思われる時点と比べても、さらに円安が進んでいます。世界で2番目に安いという調査も話題になりました。
実際に海外との価格差を計算してみます。先ほど挙げたiPhone 14 Pro Maxの256GB版は、米国での価格が税抜1199ドルで、単純計算で1ドル=136.33円となります。
しかし9月16日時点では1ドル=142.90円とさらに円安になったため、米国での価格をいまのレートで換算すると税抜17万1337円となります。
これを日本のアップルストアは税抜16万3455円で販売しているため、米国よりも7882円安くみえるわけです。7月の値上げ前ほどではありませんが、割安といえそうです。
ただ、日本と米国では同じiPhoneでもモデルが異なります。では日本と同じモデルのカナダはどうかというと、価格は税抜1699カナダドル(最新のレートで18万2999円)で、日本のほうが1万9544円安い計算になります。
同様に、中国は日本や米国と異なるモデルが販売されていますが、価格だけを比べると日本のほうが1万5652円安くなっています。
「転売」対策も、争奪戦は激化か
まとめると、もともとiPhone 14 Proシリーズは人気が高く入手困難になっていることに加え、日本では相対的に割安であることが、買取価格の高騰につながっていると考えられます。
アップルストアでは、SIMフリー版(オープン市場向け)の購入時にPaidyなど分割払いの利用を求めているなど、「転売」対策が話題になっています。
これから先、iPhone 14 Proシリーズの在庫が潤沢に出回るようになれば買取価格は下がっていくと思われるものの、しばらくの間は争奪戦が続きそうです。