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投信積立「クレカなし」でもポイント還元 新NISAに追い風か

山口健太ITジャーナリスト
楽天キャッシュを利用した投信積立(楽天証券のWebサイトより、筆者撮影)

新NISAでは投資信託の積み立てでポイントを得られる「クレカ投信積立」が人気を博しています。

その一方で、クレカを使わずに電子マネーを利用する場合でもポイントを付与するサービスが出てきており、利用者層の拡大につながるかもしれません。

楽天証券「現金チャージ」でもポイント還元

楽天証券では、楽天カードによる投信積立とは別に、オンライン電子マネーの「楽天キャッシュ」も投信積立に利用できます。2023年3月時点で利用者は100万人を突破したと発表されています。

楽天キャッシュと楽天カードの違い(楽天証券のWebサイトより)
楽天キャッシュと楽天カードの違い(楽天証券のWebサイトより)

ただ、ポイント還元については条件があり、楽天カードを使って楽天キャッシュの残高をチャージする必要がありました。

2022年のサービス開始時にはキャンペーンが実施されたこともあり、たまに誤解している人を見かけますが、楽天キャッシュによる投資積立自体にはポイント還元はなかったわけです。

そのルールが今回変更され、6月4日からは楽天カードから楽天キャッシュへのチャージ時ではなく、所定のサービスを利用した際に0.5%のポイントが付与されるようになります。

楽天ペイの請求書払いのように対象外のサービスもあることには注意を要しますが、楽天証券の投信積立は対象となっており、これまでと同じ0.5%のポイントが得られることになります。

この変更において注目すべきは、銀行やATMを利用して楽天キャッシュにチャージした場合でも、0.5%のポイントを得られるという点です。

楽天キャッシュのチャージ方法は最近強化されており、全国260以上の金融機関や、セブン銀行・ローソン銀行ATMからの入金など、複数の手段が用意されています。残高不足に陥らないよう、オートチャージの機能も用意されています。

これを利用すれば、楽天カードを持たない人や、楽天カードを持っていても投信積立に使いたくない人でも、現金などでチャージした楽天キャッシュによる投信積立でポイントを得られるというわけです。

新NISAの証券会社選びにおいては、引き続きポイント還元が大きな要素の1つになっていることを考えれば、楽天証券には新たな魅力が加わった印象を受けます。

また将来的には、楽天キャッシュで給与を受け取り、その残高で投信積立をした場合でもポイントを得られるのではないかと筆者は予想しています。

PayPay証券もポイント上限を引き上げ

電子マネーを利用した投信積立にはPayPay証券も対応しており、PayPayマネーやPayPayポイントを利用した場合でもポイント還元を受けられます。

そのルールが5月1日に変更され、PayPayカードやPayPay残高といった支払い方法ごとの付与ポイントの合計が、最大で月700ポイントに引き上げられています。

PayPay残高利用時でも最大700ポイントを還元するという(PayPay証券のプレスリリースより)
PayPay残高利用時でも最大700ポイントを還元するという(PayPay証券のプレスリリースより)

NISAへの対応はやや出遅れた印象があったものの、NISA口座数は半年で23万件を突破し、そのうち95%以上は他の金融機関からの移管ではなく、初めてのNISA口座開設としています。

楽天証券のNISA口座数が524万件を超えていることに比べれば規模は小さいものの、日本全体ではまだNISA口座を持っていない人のほうが多いことを考えれば、新規ユーザーを惹き付けるPayPay証券はこれから面白い存在になるかもしれません。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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