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クレカ「2%還元」終わったLINE Pay、プリペイドで人気は続くか

山口健太ITジャーナリスト
Visa LINE Payプリペイドカード(筆者撮影)

LINE Payが、7月からプリペイドカードのタッチ決済で新たに「2%還元」を開始します。クレジットカードの2%還元は5月で終わったものの、プリペイドで人気が持続するか、注目しています。

プリペイドのタッチ決済で2%還元

LINE Payといえばコード決済やアプリでの送金や割り勘のイメージがありますが、クレジットカードやプリペイドカードも展開しています。

プリペイドカードとしては、以前にはJCBブランドの「LINE Payカード(JCB)」がありましたが、2020年12月に新規発行を終了し、現在では「Visa LINE Pay」ブランドに統一されています。

Visa LINE Payプリペイドカード」は、プラスチックカードではなく、スマホ画面上のバーチャルカードなのですぐに発行可能。使い方は、店頭では対応スマホを用いた「iD(プリペイド)」または「Visaのタッチ決済」。オンラインではカード番号を利用した買い物にも対応しています。

ポイント還元としては、2021年8月からプリペイドカードを用いたすべての支払いで1%還元を実施していました。この特典は6月30日に終わり、7月1日からは店頭でのタッチ決済で2%、オンラインでは0.5%に還元率が変更されます。

あくまで終了日未定のキャンペーンとのことから、また1年ぐらいで変わる可能性はあるものの、プリペイドで「2%還元」は異例の高さに感じます。LINE Payによれば、オフラインで用途を限定しないプリペイドの還元率としては業界最高水準としています。

この変更とは対照的に、5月1日には「Visa LINE Payクレジットカード」の2%還元が終了し、1%になっています。他のカードへの乗り換えを考えていた人にとって、プリペイドで2%が始まるなら思いとどまる人が出てきそうです。

ポイント付与までの日数も、これまでの「利用月から3ヶ月後」から「翌日から数日以内」に短縮されるのも、嬉しい点です。

追記:

2022年6月15日、ポイント進呈時期について見直しがあり、「毎月1日~末日のご利用金額に応じ、翌月10日頃に一括でLINEポイント進呈」になりました。

https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2022/4217

なお、LINE Payは今夏から新商品の提供を予告していましたが、このプリペイドの新キャンペーンとは別のものとのこと。「LINEクレカで新たに2種類の商品ラインナップを今夏より順次提供開始予定」(LINE Pay広報)としています。

キャッシュレス普及への期待も

7月以降、LINE Payのクレジットカードとプリペイドカードを使い分けると、タッチ決済ではプリペイドで2%、それ以外の店舗やオンラインではクレジットで1%還元を得られることになります。

クレジットカードであれば、QUICPayで3%還元のカードもあります。また、ポイ活が好きな人なら、複数の手段を組み合わせてより高い還元を得ている人もいるかもしれません。しかし、そういう工夫が面倒な人にとってはLINE Payに支払いを集約できることが魅力になりそうです。

それに加えて、キャッシュレスの普及においてプリペイドカードが果たす役割にも注目しています。日本ではクレジットカードに抵抗を覚える人も一定数存在するとみられており、現金払いに近いデビットやプリペイドが好まれる傾向にあるようです。

多くのプリペイドカードは、残高を意識しながら「使いすぎ」を防げることや、18歳未満でも持てるといった特徴があります。その中でLINE Payは、「LINE」の知名度に加え、プリペイドカードとしては異例の高い還元率でユーザーを惹き付けようとしています。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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