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LINE Payクレカ「2%還元」終了へ。乗り換えるべき?

山口健太ITジャーナリスト
Visa LINE Payクレジットカードは「1%還元」に(筆者撮影)

4月1日、LINE Payがクレジットカードのサービス改定を発表し、大きな特徴だった「2%還元」は4月末で終わることになりました。ユーザーとしては乗り換えるべきなのでしょうか。

Visa LINE Payクレジットカードは、当初の構想から紆余曲折を経て、2020年4月に申し込みと発行を開始。初年度は異例の「3%還元」を打ち出したことで、大きな関心を集めました。

その後、2021年5月1日からは基本還元率1%と特典1%の合計で「2%還元」に。そして2022年5月1日からは、基本還元率1%のみとなることが正式に発表されました。期間限定の特典がなくなり、本来の姿に戻ったといえるでしょう。

良くなる点としては、これまで年会費は税込1375円で年1回以上のショッピング利用で無料となっていたのに対し、今後は永年無料になります。「公共料金や税金は5万円までがポイント対象」という点は引き続き変わらないようです。

他にも進化を続けてきた点として、使える場面の多さがあります。当初は板カードのみだった「Visaのタッチ決済」は、2021年5月にはApple Pay、2022年3月1日にはGoogle Payに対応。「iD」と使い分けができるようになっています。

一方で、年会費無料の1%還元カードという点では、楽天カードなど多数のライバルがひしめいています。同じ1%還元といっても、ネット証券での投信積立のように、これまでにない用途でポイント還元を実現するものが出てきています。

特定の条件で還元率が高まるものとしては、QUICPayの利用で3%還元となる「セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード」、コンビニで最大5%還元となる「三井住友カード ナンバーレス(NL)」などが知られています。迷えるユーザーを狙った新たなキャンペーンが始まる可能性もありそうです。

上位カードの登場に期待

ポイ活が広まるにつれ、ポイントの二重取りや三重取りによって2%を上回る還元を得る方法も編み出されています。とはいえ、残高の管理やチャージに時間を取られる割には、追加で得られるポイントは大きくありません。

これに対してVisa LINE Payクレジットカードは、このカードに支払いを集約するだけで2%還元を得られるという簡単さが魅力でした。時間的なコスパに優れているという点で、幅広い人におすすめできる貴重な存在だったといえます。

ただ、仕事用のカードとしては利用可能枠の大きさが物足りない印象でした。筆者の場合、新しい機材の購入や海外出張の支払いが重なった場合に備えて、一般的なゴールドカード程度の利用枠は欲しいと考えています。

現在のVisa LINE Payクレジットカードは色違いのカードがあるものの、カードのグレードとしては1種類でした。LINE Payによれば今夏に2種類の商品ラインアップを追加するとのこと。どういった選択肢が加わるのか明らかになるまで、様子を見るのも1つの手といえそうです。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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